第31話 大和魂
気がついたら、白い世界にいた。
もしかして死んじゃた!?
すると光玉が複数近づいてきた。
「いつもの神様ですか?」
『あいつは、此処にはいない。』
『それより、お前馬鹿だろ?何で初めて会った人に命をかけた?日本人とか言ってたようだけど。どういうこと?』
「子供の頃から、困ってる人を助けるようにって習ってきたので‥」小学校の道徳だけど。
『こいつ、本気でいってるみたい』
「それで、俺は死んだのでしょうか?」
『死ぬ寸前。本当は死んでたけど、大和魂に感動した一部の神が力を貸してるとこ。本当に、ギリギリだよ』
『質問、次に困ってる人がいたらどうする?』
「もちろん助けます。この命に替えても!」
『『『天晴れじゃ』』』
『ただ、無償とはいかん。人の命はそこまで安くない。ペナルティは受けてもらうぞ』
「当然だと思います。ご迷惑をお掛けして、申し訳ございません」
『次がないこと祈っておくぞ、では』
目を覚ますと、ベッドに寝かされていた。おっと忘れるところだった、「知らない天井だ‥」これ、言ってみたいセリフだよね。
あれっ、右目が開かない。手で触っても目を開くことは出来なかった。これがペナルティなのかな。
体は怠いが動きそうだ、とりあえず体を起こして動きを確認する。手足は動くし問題なさそうだ。俺の物音に気がついて、みんなが部屋に飛び込んできて俺に抱きついてくる。
「みんな、ごめんね心配かけて。」
「旦那様、何でこんな無茶したのですか?そこまでする必要があったのですか?」雪花が怒ってる。
「私達のことも考えて下さい!」イリスさんも怒ってます。
「心配したのですから‥」ニーナは泣いてる。
「私はどうして止められなかったのかって散々先輩達に怒られたっす。しかも初夜もまだなのに‥」璃水も泣いている。
「1人にしないって約束したのに‥。嘘つき。」ここでゾンさんのギャップきたー!
でも、その一言は心に響く。
「本当にごめんなさい。今後はみんなに相談してから動くから。今回は許して下さい」
「旦那様が倒れている間、みんなで話し合いました。きっとこれからも困ってる人がいたら助けるはずだから、その時はみんなで力になろうって。」
「ありがとう。」よし!乗り切った。
「まだ、話は終わってません。そもそも旦那様は家族を守る自覚がないのではありませんか?自覚を促す為にも、みんなとの間に子供作ってもらいます。私達は今日から避妊薬は飲みません。これは決定事項ですから!!」雪花が本気で怒ってる、これには逆らえないです。
「言いたいことは、まだまだありますが、それは宿屋に帰ってからじっくりやります。それより、そこに隠れてるあなたは旦那様に何かいうことはありませんか?」
するとステアさんが歩いて部屋に入ってきた。
「良かった足治ったんだ。」
俺の前にきた、ステアさんはずっと下を向いている。
この沈黙が辛い。
何かを決心したのかステアが話しだす。
「イチロー様のお陰で、無事足が治りました。このご恩は一生かけて償いたいと思います。私をあなた様の奴隷にして下さい、
お願いします。」
「そこまでする必要あるかな?」
「イチロー様が、私の為に命をかけてくれたことを奥様達に聞きました。しかも大切な目も失ってますよね?」
これには他のみんなも息を呑む、後で謝るしかないけど許してくれるかなぁ。
「人生に絶望した君には奴隷にはなって欲しくない。君には幸せになって欲しい。」
「それでは、私が納得出来ません!私は許されられない事をしてしまいました。奴隷に落として下さい。じゃないとここで舌を噛んで死にます。」
こうするしかないか‥、みんな怒るだろうなぁ。
「わかった。では、奴隷ではなく妻として、俺を一生支えてくれ。」
そう言ってステアの唇を強引に奪う、もちろんディープキスで。
その後、ステアを離すとみんなに正座させられました。
「自分からするなんて!なんて羨ましい!!」みんな激オコです。
キスの後、惚けていたステアさんだが何とか復活したようだ。
「ご主人様、私があなたを一生守ります。今後とも宜しくお願いします。」ステアさんが笑顔で挨拶をする。
その笑顔は、とても優しい笑顔であった。
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