第29話 お約束
どう言えば、この子は傷つかないのかなぁ。でも下手に嘘を言えば、雪花を傷つける可能性もある‥。ここは正直に話すか。
「異世界に1人できて、心細かった。だからずっと傍に居てくれる相棒のような存在をイメージしたんだ。」某、黄色い雷のやつ。
「あとは知っている人型の妖怪の中で強くて綺麗なイメージから雪女を選んだ。」
雪花が哀しそうな表情になった。
「そんな動機なら、第一婦人とかの序列は無効っすね!」
「じ、序列については口を出さないように決めてるけど、1番最初に好きになったのは雪花だ。これが変わることはない!」
あっ、雪花がドヤ顔に変わった。
「やっぱり、納得いかないっす。こうなったら、実力行使で‥。」あっ、それ以上はやめた方がいいに。
「ダメだ!殺すな!!」
璃水の首元に、雪花の氷爪、ゾンさんの煙管、ニーナの短刀、イリスのレイピアが押し当てられている。
あぶねー、みんな俺が止めなければ殺したたよね?部屋の中を殺気が埋め尽くす。
これは怖い。ついには、璃水が泣き出した、もう本気で泣いてるよ。やっとみんなが離れてくれた。
「みんなも璃水は急に呼び出されて、不安な気持ちなんだよ。許してやってくれ。」
するとみんなの殺気もおさまったようだ。
嫁さん達激コワだよ。さっきのみんなの動き、全然見えなかった。もう絶対に逆らったらダメ!
「みんなとも仲良くしてくれよ。」俺は璃水の頭を撫でてあげる。なんかバカな妹と見たいで、これはこれで可愛いよなぁと思った瞬間だった。いきなりネクタイを引っ張られ、強引にディープキスされていた。
やっと満足してくれてのか、璃水が唇を離してくれた。
「イッチー油断しましたね。しかも私のこと可愛いって思ったでしょ?」
璃水が妖艶な顔をしている。思わず生唾を飲み込む。ってか『っす』はどうした!
「私のファーストキス何ですから、有り難く思って下さい。まぁ、永遠の誓いをゲット出来たのは偶然ですがね。」
あー、やっちまった。可愛いって思ってしまった。また嫁が増えるのかぁ‥。
この流れだと、呼び出す妖怪は全て嫁になるんだろうね。
よく考えたら返事も聞かずに強引に異世界に呼び出してるんだから責任を取るのは当たり前だよね。
「まぁ、みんな仲良くしてあげて。」
お願いだから。
みんな渋々返事してくれた。
良かった、とりあえずこれで終わりかな。
すると璃水がニヤニヤしながら爆弾を投下する。
「私は第一愛人でいいっす。なのでこれからも宜しくっす、先輩方。」
またそんな喧嘩を売るようなこと言って。案の定みんなの殺気が膨れ上がる。
その後、嫁さん達の機嫌を直すのにかなりの時間を有するのであった。
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