第13話 買取
「肉と毛皮は分けだが、全部買取でいいのか?」
「ホーンラビットの肉って美味しいですか?」
「かなり美味しいぞ。しかも傷もなく、今殺してきたように新鮮だったから状態は最高だ。」
肉が新鮮なのは、格納した場合、時間が経過しないのが原因かな。あと雪花の急速冷凍のおかげかも。今後も家族増えそうだし‥。
「肉は全て引き取ります。傷があるのはベールさんにあげます。毛皮はすべて買取で。」
「おっ、一匹もらっていいのか?それはありがたい。子供達も喜ぶよ。」
コイツ、結婚してるのかよ?こんないかついオッサンまで結婚してるのに、カレンさんは独身で肩身せまかっただろうなぁ。
痛っ、カレンさんに腕をつねられた。
「イチロー様、何か失礼なこと考えませんでしたか?」
まずい、嘘は通じない。
「すみません、少しだけ考えました。」
「もう、私には嘘は通じないので、気をつけて下さいね。」
いや、そんな可愛く言われても、言ってる内容はコワイよ‥。
「それで買取額だが、こんな感じだ」
ホーンラビット
肉 5,000G × 54 = 270,000G
毛皮 20,000G × 54 = 1,080,000G
「毛皮は王都の貴族で人気があるみたいで高値になってる。商人に売った方が高くなると思うが、一応お嬢の旦那になるからイロはつけてある。問題ないか?」
「全然問題ないです。これでよろしくお願いします。」
「わかった。代金は冒険者カードに入れるので、お前のカードをかしてくれ。」
後で説明を受けたが、この世界ではほぼほぼ現金は使わないそうだ。そうキャッシュレスの世の中。PA○払いとのこと。でた、異世界なのにハイテク。なので、全ての人が冒険者カード、商人カード、身分証カードのどれかを持っているらしい。ちなみに露天などでも払えるとのこと。
「それでは、買取が終わりましたので、今度は報酬の支払いをするので、受付までお越し下さい。」
カレンさんの指示に従い、一階の受付に向かう。
「報酬ですが、驚くとは思いますが、お確かめ下さい」
ホーンラビットの討伐(10匹) 1,000G
ホーンラビットの討伐(15匹) 2,000G
ホーンラビットの討伐(30匹) 5,000G
「お肉や毛皮が高値で売れるけど、素早いし、傷を付けずに倒すの難しくて、人気のない依頼なんです。では、報酬を支払いますのでこの水晶の上に冒険者ガードを近づけて下さい」
一郎が冒険者ガードを水晶に近づけると、「ペイペイ」と音がした。
いや、そのまんまじゃん。さっきわざわざ伏字にしたのに、ペイペイ鳴っちゃたよ。絶対このシステム作ったの神だな。地球の技術まるパクリだよ。
一郎がツッコミをしてると、ドラ○エのファンファーレの音がした。
「イチローは、召喚ポイント40を手に入れた。」
おー、これは嬉しい。そういえば、そんなシステムがあったね。雪花呼び出してからいろいろありすぎて、忘れてたよ。
よし、これでまた妖怪ゲットしよう!もちろん落ち着いてからだけどね。
「それでは、俺たちはこれで失礼します。また明日来ますので。」
「分かりました。私達の今後のことを話し合いたいので、明日、必ず来て下さいね。逃げても無駄ですからね。」
「いや、逃げたりしませんよ。永遠の誓いの呪いがあるから逃げられませんよ‥」
最後の方は聞き取れないぐらいの小さい声になった。
「何か言いました?」
「いえ、何も‥。では、また明日」
これが最後の別れになろうとは、ここにいる誰もが知る由もなかった‥。
「これ!変なナレーション入れるでない!!」神様からツッコミを入れられながら冒険者ギルドを後にするのであった。
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