第8話 今後について


さて、当面の戦闘担当兼嫁さんをゲットしたので、この後、どうしようかなぁ。テンプレでは、街や村を目指すんなけど出来ればスローライフがいいんだけどなぁ。目立たず、嫁さんとのんびり過ごせるのがいいかなぉ。そういえば、雪女ってどんな事が出来るのかなぁ。もしかして、エ○ザのように氷の城とか作れたりして!城は無理でも家なら出来るかも!!ちょっと聞いてみよう。


「雪花はどんな事が出来るの?もしかして家とか作れる?」

「はい、旦那様、家は作れますよ!今から作りましょうか?」

「えっ?マジで!?じゃーちょっと作ってみてくれる?」


最初から家がゲット出来るなら、幸先いいじゃん!もしかして楽にスローライフ目指せるかも。そうこうしているうちに雪花の周りの温度が急速に低下していっている。そして、雪花の手から吹雪が出て、そこに平家の一軒家が現れた。


「おぉー、すげー、家が無料で手にはいった。とりあえず中に入っていい?」

「どうぞ、旦那様。私達の愛の巣ですから!」

「では、遠慮なく」


一郎が扉に手を掛けると、取手から全て氷で出来ていた。気を取り直して、中に入ると2LDKぐらいの間取りの部屋があった。もちろん全て氷で出来ていた。


「ですよねー。そんなに上手くいくとは思ってなかったよ。まぁ、今後氷耐性でも手に入れたら一緒に住めるようになるかな。」一郎は前向きに考えるようにした。


とりあえずは家は収納しとく。雪花が悲しそうな顔をしたが、あえて無視することにした。


さて、こんな草原でずっといるわけにはいかないので、街を目指すことにしたわけだが、どこに迎えに行けばいいのか、検討もつかない。適当に向かえば日が暮れて、野宿することになる。何の準備もしていない状況なので、それだけは避けたい。そうなると無駄なく街を目指すためにも、道案内が出来る妖怪が必要だ。


候補として、飛行妖怪とか、ろくろっ首に上空から街を探してもらうか。くだんに占ってもらうか。飛行妖怪と言えば、一反木綿かぁ‥。擬人化のイメージがわかないよ。とりあえず、召喚用タブレットを見ようと。


「タブレット、オープン」一郎の手元に召喚用タブレットが現れたので、候補の妖怪を、検索してみることにした。


一反木綿(20)

うぶめ(20)

くだん(30)

ろくろっ首(100)


うん、ポイント足りないね。そもそもポイントってどうやって貯めるのかなぁ。神様に聞くの忘れてた。まぁ、ポイントがないなら仕方がない。雪花にお願いしてみるか。


「雪花にお願いなんだけど、螺旋階段で塔を作れる?人、一人ぐらいが登れる大きさで。」

「作れますよ、旦那様」

「じゃーお願い、作ってみて」

「わかりました」


先程の家の時と同じで、雪花の周りの温度が下がっていき、手元から吹雪が出てきた。5分ほど待ってると、100メートルぐらいの氷の塔が出来上がった。


「すげー、本当に出来るとは‥。ありがとう!じゃー、ちょっと登ってくるよ。」

一郎は螺旋階段を登っていった。


そらから一時間後、一郎が戻ってきた。


「この先に道があって、北の方に行くと城壁が見えたから、たぶんそれが街だと思うから向かってみよう」


一郎と雪花は、街を目指すのであった。


「そういえば、あの塔って、永久に消えないの?」

「いえ、旦那様。今の私には永久に溶けない氷は出せません。進化すれば可能ですが‥」雪花が申し訳なさそうな顔をしたので、一郎は雪花の頭をなでながら「今のままで十分だよ、ありがとう」と、慰めるのであった。

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