第7話 雪女


光の柱が段々と小さくなっていった。


さぁ、どんな雪女が出てくるかなぁ。

かなり昔のアニメでミニスカの雪女がいたし、最近のラノベだと巨乳で露出多めがテンプレだしなぁ。

そういえば、さっき神様が何か言ってたような‥。まぁ、いっか。今は雪女の方が気になるし。

あと性格も気になるよなぁ。お嬢様系とかツンデレもいいかも。


一郎が妄想を膨らませていると、光の柱がなくなり、一人の女の子が立っていた。


年は20代前半ぐらい、身長は150センチ、白い肌、青い髪、青い目、白い着物、白鼻緒の草履、青い髪留め、青い帯、スレンダーな体型の女性だ。


「それにしても、キレイだぁ」思わず心の声がもれてしまった。

一郎の声が聞こえたのか、雪女の頬が少し紅くなった。


いや、マジで可愛い!!こんな美少女と異世界で暮らせるなんて‥。


「異世界にきて良かった!!神様ありがとう!!」一郎は大声で叫んでいた。


さて、気を取り直して挨拶しないと。


「俺が君の主になる、古賀一郎です。異世界に来たばかりで、右も左も分からないし、戦闘は全然出来ないし、かなり頼りないけど、二人で協力して、頑張ろう!」


一郎は照れながらも握手をしようと手を差し出す。


「こちらこそ、不束者ではございますが、末長くよろしくお願い致します、旦那様。」雪女は一郎が差し出した右手首を掴んで、一郎を引き寄せ、背伸びをしてキスをしてきた。


あれ?俺何でキスされてるの??一郎は冷静になり、雪女を引き離そうとしたが、がっつり顔を両手で固定さてれいるので引き離す事ができない。そのうち舌が侵入してきてた。結局、一郎はナスがまま5分が経過するのであった。


あまりの気持ち良さに、頭がボーとしていると雪女が唇を離した。


「ちょっ、何でキスしたの?初めて会ったばかりなのに!どう言う事?」


そこで初めて雪女が口を開いた。

「召喚された際、一緒にプロポーズもして頂いたので、そのお礼です。」


「声可愛いなぁ‥。プロポーズ?そんなのしたかな?あっ、さっき嫁兼相棒って言ったことこなぁ‥」


どうしよう、初めての異世界、初召喚でテンションが上がったので思わず叫んじゃったよ!あっ、事情を話せば分かってもらえるかも。


「プロポーズって、嫁兼相棒のことだよね?」

「ごめんなさい!あれは‥」一郎が言い訳を言いかけたとき、雪女が悲しそうな顔をしたように見えた。


彼女も呼び出されて不安なはず。とりあえず、彼女からスタートでもいいかな。


「まだ出会って数分だし、とりあえずは彼女とかでもいいかな?」


「旦那様、私達は既に夫婦ですよ?しかも死ぬまで離れる事は出来ません!」


嘘?なんで?

彼女の突然の告白にびっくして目を見開く。


「そんなに驚かないで下さい、旦那様。永遠の誓いも先程したではないですか?」


目の前で彼女が体をくぬらせて照れている。


まさか、本当なのか?一郎はステータスを呼び出す。



【名前】イチロー

【年齢】29歳

【妻】雪女(無名)


【スキル】召喚士(妖怪限定)+(女性限定)

【召喚ポイント】10

【魔法】

「クリーン」「収納」「索敵」「鑑定」

【持ち物】

100,000G、召喚用タブレット

【召喚妖怪】

雪女(無名)


本当だ。妻になってた。

うぁー、異世界きて数分なのに妻帯者になっちゃったよ。まぁ、キスまでされちゃったし、あんなに美少女なんだし、前向きに考えよう!


「そういえば、無名ってなってるけど名前ないの?」

「はい、なので旦那様が付けてください!」


名前って、重大なことまかされたなぁ。雪女の名前かぁ‥。


ゆきめ、つらら、あおい、ゆき、おユキ‥。パクると、いろいろ大人の事情もあるからなぁ。


「じゃー、雪花(せっか)では、どうかな?」

「旦那様、ありがとうございます。私の名前は今日から雪花です。改めまして、永遠に宜しくお願いします。」


彼女の喜ぶ顔を見て、異世界にきてよかったなぁと初めて思うのであった。

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