川柳

 今日は湖に行く日だ。

 朝は、チンゲンサイのスープと兎を食べる。準備をして杖をバックパックに刺して出発だ。ユキとうどんも一緒だ。

 体力が付いてきたのか、以前よりも足取り軽く短時間で湖までついた。


「ヴゥー」

「やっぱり分かる? イカの存在」


 ユキとうどんは湖に近づきたくないのか、森から出てこない。そう言えば、湖の近くで魔物も動物も見ないな。私以外は皆、イカの存在に気づいてたんだね。

 イカの存在を知ったから、ここを諦めるとかはない。水は、今のところ、ここにしか無いから!


 水を湖で補充する。相変わらずここの景色は素晴らしい。


「ヴゥーヴァウ。ヴァオーン!!」


 ユキが大声で鳴く。イカか!? 急いで狐たちのいる森へと走る。木の後ろから湖を覗くとイカが出てきた。イカリングが食べたい…っそうじゃない。以前は急いで逃げ帰ったので、観察出来なかったけど…二階建の家くらいの大きさのイカだな。イカだよね? あれ? 前と色が違う。前は白っぽかったけど、今は紫っぽく見えるんだけど。タコなの? 大きな目が四方をギョロギョロ見てる。


 ん? 猿の群れが森から出てきた。あんな猿の動物は初めて見たんだけど…双眼鏡持ってきていてよかった。イカの近くにいるから小さく見えるけどさ、あの猿も結構大きいよね。群れの中でも一番大きい猿が前に出る。イカに戦いを挑んでんのかな?

 あ…猿、イカに瞬殺じゃん! うえー。イカが猿を蝕手で絡みつき一口で食べる。


 あれを倒すのは無理だな…


 黄色の魔石だったら、遠くからイカの目潰しくらいなら出来そう。


 ボスの大猿を殺された猿の群れが、散り散りに去ってゆく。イカはゆっくりと湖に潜り始める。食事の為に出てきたのかな?   


 水も補給できたし帰るか。


 帰り道にまたミントの群生を見つけた。群生していた半分ほどのミントを毟る。ユキとうどんはミントの匂いが苦手のようだ。

 もうすぐでログハウスというところで、茂みから音がする。


ガサガサ


 敵か? ん? 出てこない??


カサカサ


 ヒィィィィ


 ゴキちゃんズが、チラッチラと姿を見せは隠れる。ユキとうどんは無反応。ゴキちゃんズ…何か用なのかな? 私は特に用は無いんだけど…普段は姿を現さないのにどうしたんだろう?

 二匹がチラッチラと出てきた後に拳くらいの小さな?ゴキブリがチラリと見える。繁殖したの? 一匹だけなのかな? ほら一匹いたら百匹いるっていうじゃん。

 …どうやら小ゴキブリは一匹だけで、何故か私に見せにきたらしい。


「う…ん…見せに来てくれてありがとう。これからもお掃除よろしく!」


 手を振ると触覚揺れているのが見えた。


 ははは



「じゃあ。もう行くね。バイバイ」



アラサーで


訪ねてくるの


Gオンリー



   ~カエデ~



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