割り箸炭

 今日の目的は木炭だ。

 サバイバル本には、一斗缶を使った本格的な方法が書いてあった。木炭の作り方は酸素の少ない状態にする事らしいが、一斗缶で木炭の説明にはレンガを利用してかまどを作ると書いてある…レンガが無いんだけど! 一斗缶はログハウスの中にオシャレゴミ箱として使われていたのがある。

 とりあえずこの方法で本当に木炭が出来るのか実験してみる。空き缶に割り箸を敷き詰めアルミホイルを被せバーナーで熱した。アルミホイルに開けていた小さな穴から煙が出始めた。思ったより煙が出るな。十五分ほどしたら煙が出なくなったので、火を止める。冷ます為に缶を土に埋めようと手を伸ばす、アチチ


 缶を持ち土に埋める。どのくらい冷やすのだろうか?

待ってる間に兎の罠を確認に行く。

 ノー兎にガックリするも、ミントの群生を発見する。ミントって確か雑草の様に無限に生えてくるんだよね? 昔実家でミント地植えしようとしたら、親に怒られたんだよね。乾燥させてミントティーにしよう。群生を半分ほど摘み取ってログハウスに吊るした。爽やかな匂いだね。ここ数日は獣臭しかしてなかったから、このミントの香りは凄くリフレッシュ出来る。良い匂いだね。



ドンドン



 …ひと時も休みをくれない奴らが憎い。今日も団体か…多いな。七匹か。ゴブリンは司令を出している奴がいそうだな。ここに来る奴らが、自分たちで考えて増員したとは思えない。ゴブリンは、ほぼ同じ方角から来るので、そっちの方面に巣があるのだろう。三匹をクロスボウで射る。弓矢に攻撃されるがクロスボウほど射的範囲が遠くない。弓ゴブリンは木の影に隠れているが足が出ているところを狙い撃つ。



「グギャアアア」



 当たったね。一発で当たったのは、ラッキーだったね。後三匹は大ゴブリン。こっちに来ずに距離を保っている。珍しく何か作戦を立ててるのか? 膜から出るのは危険なのでここから大ゴブリンをクロスボウで射る事にする。

 大ゴブリン二匹を倒したところで、新たにゴブリンが出てくるのだが…何あれ? 犬に乗ってるゴブリン? 犬じゃないな狼か。狼を実際に見るの初めてだわ。思ったより小さいのね。大ゴブリンを先に始末する。

 狼ゴブリンは小さいが、動きが早いのでクロスボウでは無理そうだな。どうしようか迷っている内に狼ゴブリンが膜にぶつかりゴブリンは狼から落下して動かなくなった。えーと…まぁいいや。気絶? してる間にささっとクロスボウで射抜く。

 狼は…ああ、これは死んでるな。動きが俊敏でもバカだったら意味がないな。狼は使えそう。他は魔石だけ取り穴に埋める。狼は皮だけを剥ぎ残りを穴に埋めた。ゴブリンと生活してる犬なんぞ食べれそうになかったからだ。

 ゴブリンの所為で脱線したが、割り箸炭は出来ているのだろうか? 缶を開けてみる。結構しっかりと出来ている。ボロボロになるかと思ったがそうでも無い。よしもう一度練習しながら、かまどに必要なレンガ部分について考えようかな。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る