5 新橋
悠二は渡る。川幅一千メートルの河にかかった橋の上では、人々は所在なさげに身を対岸へと送っていく。自転車を走らせているものは、もはや地にも接していないので、何か大きな風がこの橋を横から撫ぜれば、花びらのような軽さで消し飛ぶのだろう。そう悠二は思うが、戯言に過ぎないことは重ねて理解している。橋に足を踏み入れ、渡り終えるまでのあいだに、どれだけのことができるか、彼にはそれだけが問題であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます