第114話 マコトVSカーミラ
「13番と14番の選手! 用意をしてください!」
黒服は次の選手を呼び出した。つまり私たちの番ということだ。
「行きましょうマコトさん」
「うん。そうだね」
私はカーミラと一緒に闘技場へと向かった。
何だかいつも剣を持っていたから体が少し軽く感じるな。今ならいつもより素早く動けそうだ......本気で戦う気はないけど。
闘技場へ上がると観客たちがイライラしているのが分かる。
即ギブアップや不戦勝が続いていたもんね......そろそろゴミとか投げつけられそう。
「僕、実はマコトさんがどれくらい強いのか知るために一度戦ってみたかったんですよね。武器や魔法ありなら全く歯が立ちませんけど素手の勝負ならそこそこ良い勝負になるかもしれませんよ」
意外とカーミラも楽しそうに構えた。
「それでは......はじめ!」
黒服の合図ともにカーミラはゆっくりと距離を詰めてきた。
『聖剣デュランダルを所持していない状態で敵対勢力を感知しました......固有魔法[フィジカルアビリティアップ]を発動します』
システム音のようなものが聞こえると体がかなり軽くなるのを感じた。
え? いったい何が起きたんだろう......
私は体の変化を確かめるため自分の両手を交互に眺めた。
「マコトさん! こんな時によそ見ですか!? 隙あり!」
カーミラは私に素早く蹴りを入れようとした。
しまった! 油断した......ガードが間に合わない!!
私はガードする間もなく思いっきり横腹にカーミラの蹴りが入り......
「あれ痛くない......」
女の子の蹴りだからかな? 風船にでもぶつかったかのような感じで本当に全く痛くないのだ。
「カーミラ、次はこっちから......あれ?」
カーミラがいつのまにか場外に落ちていたのだ。
いったい何が起きたんだろう......
「マコト選手の勝ちィ!」
黒服は私の勝利を宣言した。
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