第110話 斬新な戦闘方法
この部屋は試合会場が見えるように作られているので試合を観戦しながら待つことができるようだ。
しばらくするとアヤナと巨漢の男が先ほどの黒服と一緒に闘技場の上に現れた。
「おでは女の人が相手でも手加減はしねぇど」
巨漢の男は本気で戦う気満々のようだ......一方アヤナの様子は......
「お兄さん......そんなに怖い顔したらア・ヤ・ナ怖ぃ」
いつも通りのお色気作戦なのか甘ったるい声で巨漢の男を誘惑していた。
いや......さすがにお色気はこの巨漢の男には効かなそうだと思うんだけど......武道一筋って感じで女の子と接したことないような......あれ? もしかしてアヤナ有利?
「すまねぇど......怖い顔して悪かったど」
困ったような顔で巨漢の男が慌てふためいていた。
ふ、普通に効いているし......男ってなんでああいうのに弱いのかな......あれ? アヤナは負ける気なんだよね? 相手を弱らせてどうするの?
「闘技場から落ちた方かまいったと宣言した方が負けです! それでは......はじめ!」
黒服のその声と同時に巨漢の男がアヤナに向かって走り出した。
「試合は試合! すまねぇけど勝たせてもらうど!」
「きゃぁあああ! 襲われるわ! この痴漢!!」
アヤナがそう叫ぶと巨漢の男は走るのをやめてその場で立ち止まってしまった。
「え......おら、おらは......痴漢なんてしねぇど......」
「嘘! だってさっき襲いかかろうとしてたくせに!」
今度はアヤナのほうから巨漢の男に近づくと巨漢の男は後ずさりを始める。
「おらは......ただ試合だから近づいただけで......」
「私が魅力的すぎるからってなんなのその言い訳!!」
「ちが......おらは......あがっ!!」
巨漢の男は後ろに後ずさりをしすぎたせいで後ろに足場がないことに気づかず闘技場から落ちてしまった。
「アヤナ選手の勝ちィ!」
黒服の男はアヤナの勝利を宣言した。
ちょっと待って......何でアヤナ勝っているの!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます