第109話 トーナメントの抽選
部屋にいた人たちは黒服の前に一列で並び順番にボールを取り出していった。私たちも他の人たちと同じようにボールを取り出す。トーナメントは左から順番に1番から16番までの数字が書かれていて、1回戦は1番と2番、2回戦は3番と4番といった具合に試合をするようだ。
「マコトさん、何番だったんですか?」
「13番だったよ。カーミラは?」
「僕は......14番ですね」
あれ? 初戦で負ける予定だったんだけど......どうしよう? カーミラを危険な目に合せるわけにもいかないしとりあえず1回戦は私が勝った方がいいかな。
「カーミラ、初戦は私がとりあえず勝つよ......私は2回戦で負けるね」
「はい。ありがとうございます」
私とカーミラは耳打ちをしながら周りに聞こえないように相談をした。
「皆引き終わったようですので1番と2番の選手! 早速ですが闘技場のほうに移動してください! 私が案内します!」
「2番、おでの番だど」
黒服の声を聞いて巨漢の男が自分の持っているボールの番号を確認しながら重い腰を上げた。
あの人を倒せそうな人はそうそういないだろうな......いったい誰が相手なんだろう?
「あ、私だ」
アヤナだった......
「田舎からわざわざ出てきてもらったのにこの子が相手でごめん......」
私は巨漢の男に先に謝っておいた。
「何を言っているんだど? おらは都会っ子だど?」
は? こんなしゃべり方しているのに都会っ子!? どう考えても田舎の人でしょ!?
まあ異世界だし私の世界の常識は通用しないのかもしれない。
「1番と2番の方早く準備を!」
黒服に催促をされたので巨漢の男とアヤナはすぐに黒服の元へ行き闘技場に向かって移動した。
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