第108話 大会のルール

「おめぇたち。よかっただな。怪我しねぇで」

 巨漢の男はニコッとほほ笑むとそのばに腰を降ろした。

 他の人たちは怖い目つきでとても話しかけられそうな雰囲気ではないけどこの人は話ができそうだ......

「あの、すみません。ここは一体......さっき大会とか言ってましたけど?」

「なんだ? おめぇたちここがどこだか知らねぇできたのか?」

「ええ......まあ」

 さっきの派手な服の男に無理やり連れてこられたからね。

「ここは闘技大会の会場でな、今日の大会のために世界中から強者たちが集まってきているんだど」

 なるほど......だからこんなに強そうな人たちばかりここにいるのか。

「面白い......折角だからわしも真の力を使って腕試しをと思っていたところだ!」

 だから何で王様はこんなに自信満々なんだよ......

「マコトさん......僕たちどうしましょう?」

 カーミラは不安そうな顔で私に尋ねた。

「今更帰れる雰囲気でもないし......とりあえず1回戦で適当に負けて帰るしかないか」

「さすが私の彼氏ね! やっぱり頭がいいわ!」

 アヤナがそう言って私の腕に絡みつくように抱きついてきた。

 なんかもうこのアヤナののりに突っ込むのもめんどくさくなってきたな.......

 そんなことを考えているとガチャリと扉を開く音が鳴り、黒服の男が部屋に入ってきた。

「皆さま、お待たせしました。順番にこの箱の中からボールを取り出していただきます。ボールに書いてある番号でトーナメントの戦う相手を決めてもらいます」

 黒服の男は持っている箱を頭の上に掲げて皆に見えるようにした。

「それから本大会では武器や遠距離魔法の使用は禁止です。さ、武器をお持ちの方はこちらでお預かりします」

 え? 何そのルール私戦えないじゃん......まあ1回戦で負けるつもりだから別にいいんだけど......

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