第107話 強そうな人に限っていイケメンがいない
建物の中に入ると広い部屋に連れて行かれた。そこには見るからに強靭な人たちが何人もいたのだった。
ちなみにだが私の好みともいえるようなイケメンの男はいないね!
「あらやだ......何あの子たち? 不摂生なたるんだお腹のおっさん、胸に脂肪が詰まっているだけの間抜けそうな女、見るからに貧弱そうな子供......1人だけマシなのがいるけどずいぶんとこの大会もなめらているようね!」
ちょび髭を生やしたハイレグ姿の男が私たちの姿を見てながら近づいてきた。
アヤナとカーミラは少しイラっとした表情をしたが馬鹿らしいと思ってくれたのか特に何も言わなかった。
アヤナこういう時は何か言うかと思ったけど助かった......と私が安心したところで王様が口を開いた。
「わしを『マシなの』と判断したのは見る目があるが油断していると怪我するぞ!」
王様は持っている木の棒をハイレグ男に向けた。
王様のことは『マシなの』じゃなくて一番最初に言った『不摂生なたるんだお腹のおっさん』だと思うんだけど......いや、今はそっちじゃなくて......なんでここで煽るの? 王様?
「何よおっさん......このあたしに意見しようって言うのかしら? 何なら大会前に痛い目を見せてもよくてよ」
ハイレグ男は舌なめずりをしながら言った。
「おいおめぇたち。ここでの私闘は禁止だど」
身長は少なくとも2メートル以上、体重は見るからに150キロは超えているであろう巨漢の男が止めに入った。
「フン! まあいいわ......おっさん! 寿命が延びてよかったわね」
ハイレグ男は背を向けて部屋の奥に戻っていった。
「あやつは何を言っておるのだ? 全く......それはこちらのセリフだ」
王様はこそ何を言っているんですか? 本当に痛い目に遭いますよ。全く......冷や冷やさせないで欲しいよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます