第105話 次にどこへ探しに行こうか

 私たちはアヤナが冒険者たちに声をかけた場所に戻り数分待つとすぐに冒険者がやって来た。

「『キング』じゃねぇか! よかったな見つかって!」

「たまたま『キング』の知り合いに会ったからすぐに見つけられたんだ。そうだ......一緒に探してくれてありがとう。ちょっと待ってて......」

 冒険者にお願いをしたアヤナはまだ寝ている。

 この世界にチップという風習があるか分らないけどお礼の意味で謝礼を出した方がいいよね。

 私は少しのお金を包んで冒険者に渡そうとしたが、その冒険者は右手で止めた。

「いや、俺たちは結局見つけられなかったんだ。そいつは受取れねえ。まあでも......どうしてもお礼がしたいならそっちの女性に今夜ギルドで待ってますって伝えてくれないか?」

 鼻の下をのばしながらその冒険者はニヤニヤしながら恥ずかしげもなく答えた。

 ものすごくお礼を期待してるじゃないか! というか目がやばいんだけど......

「わ、忘れてなかったらね......」

「ああ、頼んだぜ!」

 冒険者は背を向け右手を挙げて去っていった。

 よし! 今頼まれたことは忘れよう。

 ――そうすぐに決心したのだった。

「さて、強い人を探さないと......」

 私は正直この世界について詳しくないし......カーミラにでも聞いてみようか。

「なんだお主は強いものを探しておったのか?」

 王様が突然私に尋ねた。

「ええ、まあそうですけど......」

「ならばわしの旧友の国は武闘家の集まる国でな、そこへ行けば強い者がたくさん集まっているはずだ。そこで強者を探すのが良いだろう!」

 もしかして......意外と王様役に立つ!?

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