第99話 『キング』を探せ!
私、カーミラ、アヤナは先ほど聞いた『キング』を探すために街中で聞き込みをすることにした。
「あの、すみません。『キング』という人を探しているんですけど......」
私はたまたま通りがかった男性に聞いてみた。
「あんたたち『キング』を探しているのか? あの人は神出鬼没だからないつどこにいるのか分らないんだ悪いな!」
その男性は右手で謝るようなポーズをしてそのまま去っていった。
「マコトさん聞き込みなら私に任せてください。こう言うの私得意なんで!」
アヤナはそう言って冒険者っぽい2人組の男たちの元へ駆け寄った。
「ねぇ......お兄さんたち今時間あるかな? お願いしたいことがあるんだけど」
アヤナは2人のうちの1人の冒険者の腕を組みながら胸を押し当てて甘ったるい声でお願いしていた。
「ずり、ずりぃぞ! お前! そんな可愛い子に腕組んでもらって!」
腕を組んでもらっていない冒険者のほうが文句を言った。
「お兄さんにもやってあげるから」
アヤナは今度は文句を言った冒険者のほうと腕を組んだ。
「うっひゃぁ! 最高だぜ! 俺たち今ちょうど暇すぎて困ってたとこだぜ! 何でもお願い聞いちゃう!」
2人とも目がハートマークになってるのが少し離れた位置にいる私からでも分かる。
なるほど......大半の男はこんな感じでたらしこまれていたんだろうな。
「私、『キング』って人に会いたいんだけど、どこに居るか分らなくて......一緒に探して欲しいな。あ、ついでにお友達とかも呼んでもっと人手を増やしてもらえるともっと嬉しいな!」
アヤナの言葉を聞いて2人の冒険者はすぐに走り出した。
「オッケー! オッケー! 友達も呼んで探しちゃう! 待っててね! すぐに見つけちゃうから!」
「ま、見つけるのは俺のほうだけどな!」
「なんだとぉ!? 俺のほうが先に決まってんだろ!」
とんでもなく鼻の下をのばしながら2人の冒険者は口論をしながらどこかへ行ってしまった。
......初めてアヤナが役に立ったのではないだろうか。
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