「ところで気になったんだけど魔王を倒したらローズがまた魔王になるの？」

　私はふと気になって聞いてみることにした。

「あんまりなるつもりはないんだけど、その今の魔王みたいに人間を『アレ』するようなやつなら私がなったほうがよさそうね」

　今の魔王を倒したらローズが魔王。でもそれならこれからも人間で死人が出ることも......ちょっと待って「人間を『アレ』する」って何？　何でそこぼかすの!?

「あの......『アレ』って何？　『アレ』って？」

「あ、やっぱり聞いちゃうのね......男はそのほら......さっきも言ったけど別の意味で襲われるわ。そして、女は......一生男見向きもされない呪いをかけられるわ！」

　......あれ？　死人でないじゃん？　もしかして今でも安全なんじゃ......

「な、なんて恐ろしい相手なの!?」

　いつの間にか私の隣にシオンが自分の口を手で押さえながらプルプル震えていた。

「そんなに恐ろしい.....かな？」

「な、なんと恐ろしいやつのじゃ！　絶対に......絶対に倒さねばならんのじゃ！」

　逆サイドの隣からミリムが力説していた。あれ？　......ミリムはまだついてくるつもりなの？

　まあ元女だから気持ちは分からないでもないけどそこまで危険かな？　......もしかしてそう思うのは私が男になったせい!?　違う！　違う！　だって私は相変わらず男が好きなんだから！

「うん。絶対に倒そう！　ローズ、いろいろありがとう。そろそろ私たちは帰るよ」

「ええ、頑張ってね」

　私は最後にローズに挨拶をした後にカーミラとアヤナの元へ歩いていく。

「......だから、別に僕はそういった深い意味は何度も言っているじゃないですか」

「いいえ。さっきのカーミラの顔は明らかに乙女の顔だったわ！　恋する女の匂いがプンプンするわ！」

　どうやら言い争いが終わっていなかった。とりあえずめんどくさいのでいつものやつを。

「スリープ」

「ふにゃ......」

　私は睡眠魔法でアヤナを眠らせるとアヤナはその場に倒れこんだ。

「よし！　帰ろう。みんな捕まって......

　私はアヤナの腕を掴んだ。

「マコトさん、チカちゃんは？」

「母親のローズに預けることにするよ。これから魔王と戦うことになるし」

「そうですね......確かにその方が安全ですね」

　カーミラはウンウンと頷いた。

「オールテレポート！」

　他のみんなは私に触れたのを確認して私たちは移動魔法を使ってその場を後にした。

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