第92話 意外な幕切れ

『お手軽って......聖剣デュランダルは選ばれたものしか使えないんだぞ。まったく剣使いの荒いご主人だぜ......そうだな、[斬空波]はどうだ? 初級の技だ」

 何となくそこそこ弱そうな名前の技っぽいな。これなら世界を破壊せずに攻撃できそう。

「よしその技を使ってみよう!」

「準備はできたか? さっきからずっと独り言を言っていたようだが?」

 ローズはまた私の話が終わるのを待っててくれたようだ。

 それよりローズはさっきなんて言った? ......独り言?

「もしかしてデュランダルの声は私にしか聞こえないってこと?」

『正解だ。ご主人さま。人前で俺と会話していると不審者にしか見えないぜ』

 そういうことは先に言ってくれない?

「ま、とりあえずさっき教えてもらった技を使ってみようか」

 私はローズのほうに向かって走り出し剣が届くまで近づくと私は剣を振り下ろした。だが先ほどと同じくローズは持っている剣で受け止めた。

「やはり、かなりの威力だな」

 なぜかおされているのにローズが嬉しそうにしている。

「いや......私のほうはここから攻撃するんだけどね」

「なっ......まさか!?」

 ローズは退こうと後ろに下がろうとする。

「[斬空波]!」

 私の剣から刃状の風のようなものが放たれ手ローズを切り裂いた。

「くっ......これは想像以上だ......キャアアア!!」

 ローズの体は宙を舞いそのまま地面に落ちた。攻撃のわりに思ったほどダメージがなさそうだ。こっちの攻撃を見切って退いたのでダメージを軽減させることができたのかもしれない。

「なら、もう一度!」

「いや、参った。降参する」

 ローズは両手をあげて戦意がないことを示した。

「は!?」

 え? 今何て言った? 降参だって? ますます訳が分からないよ......

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