第90話 コンビネーション攻撃

「ミリム! 私と連携して撹乱しながら攻撃するわよ!」

「分ったのじゃ!」

 シオンとミリムは別れてローズの左右から同時に攻撃しようと迫る。ローズは両手をそれぞれシオンとミリムに向けた。

「ダブルダークサンダー!」

 ローズの左右の手から放たれた黒い雷が同時にシオンとミリムを襲う。そしてそのまま魔法に弾き飛ばされた。

「痛いのじゃ! 魔法を使うなんて卑怯じゃ!」

 ミリムは頭を押さえて痛がっていた。

 卑怯って......別に魔法を使わないとは言ってないと思うんだけど......

「なんて威力よ......」

 シオンは瓦礫に寄りかかるようにして体を起こしていた。

 なんて威力? ......いや違うよね? だってさっき私に使った技より威力弱いように見えるもの。どういうわけか手加減している?

「次は誰が相手をするのだ?」

 ローズは涼しい顔でこちらに尋ねてきた。

 ローズの真意を確かめるためにも次は私が戦ってみよう。

 私は剣を再び振り上げローズの前に立つ。

「私が戦うよ」

「マコトさん、気をつけてください」

 カーミラが私の横で見上げるように声をかけてくれた。

「ちょっと......それは彼女である私のセリフよ!」

 私にとってはどうでもいいことでアヤナが声を上げカーミラの肩を掴んでいた。

「アヤナさん、今はそれどころでは......」

「いいえ! 私にとっては最も大事なところよ! なぜかって? 私が貧乳に負けたみたいになるじゃないの!!」

「ひ、貧乳は関係ないじゃないですか!!」

 ......2人ともどうでもいい言い争いはやめてもらえないかな? 私がここで2人のいい争いに混じると話が終わるのを待っているローズが可哀そうだ。

「ローズ......だったね。この2人は放っておいて今から私と勝負しよう」

 私は持っている剣をローズに向けて宣言した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る