第86話 名前くらい聞いておいた方がいいのでは?
「マコトさん、一応名前聞いておきましょうよ。ほら名前分らないとギルドに報告するときに誰を倒したのか分らないですし......」
確かにカーミラの言うことも一理あるね。
「あんたたち魔王軍幹部相手にもう勝った気分なの? まだダメージすら与えてないのよ? こっちは私とバカミリムはほとんど魔力切れなのよ? あんたたち3人で勝てると思ってるの?」
シオンはあきれたように頭を抱えていた。
「シオン、その計算は間違っているよ」
「どういうことよ?」
私の言葉にシオンが聞き返してきた。
「だってこっちはカーミラは回復担当、アヤナは役立たず。つまりほとんど私1人で戦うことになる」
シオンは私の言ったことを理解できないのか固まってしまった。そして数秒後再び口を開いた。
「......え? なにそれ!? なお状況が悪いじゃないの!? 私この若さで死んじゃうかも!」
「何言っとるんじゃ......この中で一番最高齢くせ......へぶっ!
ミリムはシオンの渾身のチョップで地面に埋められていた。
「そろそろ名乗っても良いか?」
......待っててくれたんだ。意外といいやつかもしれないこの魔王軍幹部。
「我が名はローズ......そしてチカは我の娘だ!」
よし名前は聞いたし倒そ......え?
「今何て言った?」
私は後半に気になることを言ったので聞き返した。
「なんだ? 聞きそびれてしまったのか? 仕方ない......もう一度名乗ろう。我が名はローズ......そしてチカは我の娘だ!」
「どうやら聞き間違いじゃなかったね」
なんてことだ......それじゃあ、つまり......
「マコトさん......魔王軍幹部の娘がチカちゃんということは......」
カーミラは恐怖の表情になりながら私の服を掴んだ。
「そう。あの魔王軍幹部がチカちゃんに間違った教育をした母親だってことだね!」
「違いますよ! そっちじゃありません!」
カーミラ、そんなに怒らなくてもいいのに。私としてはそっちの方も気になってたんだよ......
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