第80話 お家に戻って
「や、やっぱりマコトさんすごいです! エルフでも使えないような魔法を使えるなんて......」
カーミラは尊敬の眼差しで私のことを見つめる。
「まあね。折角ここに戻ってきたんだしカーミラのお母さんとアヤナに遅くなるって伝えておこう。チカちゃんを助けるためにはどうやらかなりの数の魔物たちと戦わないといけないみたいだし」
「そう......ですね」
私の提案になんだかカーミラが元気のない返事を返した。私はその様子が気になってカーミラに声をかける。
「どうかしたの?」
「僕は今回の戦い役に立てるのでしょうか......?」
なるほど......さっきのシオンの話を聞いて自信を無くしてしまったのかもしれない。
よし! 元気づけてあげよう。
「大丈夫だよ。カーミラは私が出会った冒険者の中でもかなり優秀だよ(ヤクモやアヤナと比べれば)」
「本当ですか!? ありがとうございます」
そうか! もしかしたら魔物たちに殺されてしまうとかそういう心配をしているのかもしれない。よし! 励ましてあげよう。
「もし何かあってもカーミラは私が守ってあげるから安心してよ」
「え!? それはどういう......」
「だって大切な仲間だもんね!」
「仲間かぁ......はぁ......」
あれ? 何でだろう......カーミラがなんだか落ち込んでいるように見える。
「違ったかな......仲間だと思ってたんだけど嫌だったかな?」
「いえ、仲間ですよ!」
「そっか。よかった。とりあえず家の中に入ろうか」
「あ、はい......そうですね」
私たちは家の中に入るとカーミラのお母さんがちょうど通りかかったところだった。
「あら? 2人ともおかえりなさい。......その様子だとチカちゃんはまだ見つかってないみたいね」
カーミラの母は私たちの後ろにチカちゃんがいないことを確認しながら言った。
「うん。まだ見つかっていないんだ、母さん。だけど、居場所は分ったからこの後また探しに行こうと思うんだけど、遅くなるからもしかしたら今日は帰れないかもしれないんだ」
「ということは2人でお泊りね......頑張るのよ!」
カーミラの母はカーミラの肩を左手で掴みながら右手でグッジョブサインをしていた。
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