第79話 チート能力
「それじゃあどうするか考えようか」
私はカーミラとシオンに提案する。
「おーい! お主たちどうしてわしを除者にするのじゃ? 折角わしがいい案を提供してやったのにじゃ!」
後ろで役に立たない方のエルフの子が何か言っているが放置して話し合いを進める。
「シオン、伝説級の魔法ってことは一応全員を遠方移動させる魔法はあるってことなの?」
「まあ......私も聞いたことしかないけどあったらしわ」
そっか......ならもしかしたら私使えるんじゃない?
「ステータス!」
ステータス画面を開くとテレポートはあった。それだけじゃなく私の予想通りの魔法もあった。
オールテレポート・・・自身と自身に接触している人を遠方に移動させます。
「シオン、手を出して」
「え? 何でよ?」
シオンは手を引っ込めて私のほうを警戒する。
「何でって......手を握るためだけど?」
「ちょ......つ、付き合ってもいない男女が手を握るとかダメに決まっているでしょ!」
えっと......この子の頭の中は小学生かな? とりあえず試すだけだし、カーミラでもいいか。
「カーミラ、手を出して」
「ぼ、僕ですか!? はい......」
なんだか恥ずかしそうにカーミラは手を差し出す。シオンが余計なことを言ったせいで緊張しているのだろうか?
正直、私視点だと女の子同士で握手するわけで緊張もなにもないのだけど。
差し出されたカーミラの手を握る。
「マコトさんの手大きいですね......」
カーミラ、シオン、とついでにミリムが顔を赤くしている。
......何だこれ? 今はそういうシーンじゃないんだけど......
「まあいいや。オールテレポート!」
私がそう言うと一瞬のうちに私とカーミラはその場から消えた。
そして次に私たちが見た景色はカーミラの家だった。
「あれ? どうして僕の家が?」
「うん。そうだよ。実験成功だね」
「えっ? マコトさん......まさか!?」
「うん。私、伝説級の魔法も使えるみたい」
さすが異世界ものの主人公......やっぱりチートだね。
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