第76話 強烈な制裁
食堂の入り口付近のところでミリムが土下座をしていた。
「しゅ、しゅみませんでしたのじゃ」
ミリムはあのあと結局シオンにボコボコにされたので腫れた顔で謝罪していた。
「フン! 乙女の純情を弄んだ罰よ!」
「乙女なんて年齢じゃないくせに何を言っておるんじゃ......」
――――ゴス! バキ! ドカ!
ミリムはシオンから追加のきつい三連撃をもらった。
ピクピク――――
手足を痙攣させたように手足を小刻みに震わせていた。
「えっと......大丈夫ですか?」
カーミラがしゃがみ込んでミリムの様子を覗き込んでいた。
シーン。
「えっ......もしかして死んだんじゃないですか!? これ死んだんじゃないですか!?」
カーミラが取り乱したように慌てふためいていた。
「安心しなさい......エルフはその程度で死ぬわけないわ」
シオンは顔をそむけながら呟いた。
「そうなんですか......よかったです......」
「とりあえず良かったね。カーミラ」
私は胸をなでおろしたカーミラに声をかけた。
ちょんちょんとシオンが私とカーミラの肩を人差し指でつついた。
「あれ見て」
私とカーミラはシオンが指差した方を見る。するとミリムの頭から噴水のように血が噴き出した。
「ごめん......あのままだと出血多量で死ぬかもしれないわ」
「それ早く言ってくださいよ! ヒール!!」
シオンの言葉を聞いてすぐさまカーミラは回復魔法を使用した。
「......今回はこれくらいで許してやるわ」
「いや......頭から血を噴き出すとかさすがにやり過ぎでしょ」
私がシオンに突っ込みを入れるとシオンは明後日の方向を向いていた。
「悪かったわよ......」
意外と素直だなこの子......
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