第73話 重要な話をするときに限って邪魔が入るよね
私が衝撃を受けている様子に気にも留めずシオンは語りだした。
「そう。あれは100年前の話......」
「何か語りだしちゃったよ......」
「マコトさん! シーです! 話聞いてあげましょうよ!」
私がぼやいていたらカーミラが人差し指を口にあてて私に静かにするようにアピールした。
まあこっちから質問したわけだし、まったく興味ないけど聞いてあげようか。
「コホン。話してもいいかしら?」
「ごめん。シオン。続きをどうぞ」
私は手のひらを見せるように差し出して続きをお願いした。
「100年前、私は1人の男に恋をしたの。彼は優しくて、強くてまさに理想の男性だったの。だからある日私は告白することにしたの......そして!」
「お待たせしました! ミートドリアです。熱いのでご注意ください!」
タイミング悪くウェイトレスがシオンの前に注文したと思われる料理を運んできた。
シオンはひきつったような顔をしながらウェイトレスにお礼を言う。
「え、ええ......ありがとう」
ウェイトレスはニコッとほほ笑むとお辞儀をしてそのまま厨房に戻っていった。
「えっとどこまで話したかしら......そう! 告白のところだったわね。彼に告白をすることに......」
「サイドメニューのサラダをお持ちしました! ごゆっくりどうぞ!」
またもタイミング悪くウェイトレスはシオンの前にサラダを運んでくる。
「......ありがとう。早く下がってもらえるかしら?」
シオンのその言葉を聞いたウェイトレスは不思議そうな顔をしながら厨房のほうへ戻っていった。シオンはウェイトレスがいなくなったことを確認すると私たちのほうを向き直して話を続けた。
「コホン......それで告白を......」
「お客様! 食後のお飲み物は......」
ウェイトレスはメモ帳を持ちながらまたもや戻ってきた。
「......あんた何回私の話を邪魔しに来るのよ!」
シオンがついにウェイトレスにキレてしまった。
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