第71話 おなかが減ったね

 仕方がないじゃあもう一人のえっと何て言ったっけ? そう確か......

「シオン! シオンのほうは何か弱点はないの?」

 私はミリムに尋ねてみた。だけどミリムは今度はじっくり考えるような素振りを見せた後にがっくりした表情になって答える。

「何も思いつかないんじゃ!」

「まあ、無理もないですよ。エルフは優秀な人が多いですから」

 カーミラは私の残念そうにしているのを気にかけてくれたのか声をかけてくれた。

「そうじゃろ。わしみたいに優秀なのが多い種族で敵に回すと厄介なのじゃ」

 ミリムは立ち上がって胸を張り腰に手を当てて言い放った。

 ......誰が優秀だって? 突っ込むと面倒なのでとりあえず聞き流しておこう。

「ぐぅ~」

 今お腹の音が鳴ったような私の音じゃないということは......

「ミリムお腹が減ったの?」

「なんでわしに言うのじゃ! わしじゃないのじゃ!」

 ミリムは頬を膨らませて否定する。

「す、すみません、マコトさん。僕です......」

 カーミラは恥ずかしそうに顔を赤くして左手を上げていた。

 そう言えば朝ごはん食べずに出てきたんだった。私も実際のところお腹がすいてきたところだし。

「じゃあご飯でも食べに行こうか」

「はい!」

「はいなのじゃ!」

 私の提案にカーミラとミリムは元気よく返事をした。

 私たちは宿屋を出て早速食堂に向かった。

「いらっしゃいませー! 何名様ですか?」

 お店に入ると笑顔でウェイトレスに尋ねられたので私は答える。

「3名です」

「ではこちらにどうぞ!」

 ウェイトレスに案内されて席に座ると隣から大声で叫び声がした。

「あー! あんたたちは!」

 声のする方を見てみるとそこにはシオンが1人で座っていた。

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