第67話 エルフの人たち

 私たちは街の入り口までたどり着いた。

「カーミラ。魔力切れになったら次はどれくらいでまた魔法が使えるようになるのかな?」

 私はふと疑問に思い聞いてみた。

「そうですね。おそらく4、5時間もすればある程度使えるようにはなると思いますよ」

「なるほど......結構時間かかるのか、だったら宿屋で少し休んだ方がよさそうだね」

 私はあたりを見渡して宿屋を探す。すると耳が長くて尖っている男と女が私たちのほうに近づいてきた。おそらくエルフの人たちだろう。

「よぉ......あんたが担いでいるのはエルフモドキのミリムじゃねぇか?」

 男のエルフは私の目の前まで来ると少し笑みを漏らしながら言う。

 おっとこれはなかなかのイケメン......じゃなかった。今気になることを言っていたよね。

「エルフモドキ?」

「そうよ。私たちエルフ族はそいつのことをそう呼んでいるの。だってエルフにしてはあまりにもポンコツですもの」

 男のエルフの代わりに女のエルフが答える。

「えっとつまりあなたたちは種族的にはエルフ族と言うことでミリムと同じ種族だということですね?」

「ああ、そうだが」

 私の質問に男のエルフが腕を組んで答えた。

「じゃあミリムを引き取ってください! お願いします!」

「マコトさん! 厄介払いするつもりですか!?」

 カーミラは横から割り込むように口を挟んできた。

「違うよ? だってミリムはエルフ族。そしてこの人たちもエルフ族。なら仲間の元に返してあげるのが優しさだと思うんだよ」

 私は小さい子供にい聞かせるようにカーミラを説得する。

「おい! 俺たちはミリムの仲間じゃないぞ! 勝手に押し付けるんじゃねえ! 俺たちはそんなやつ引き取るつもりはないぞ!」

 今度は男のエルフが叫ぶように割り込んできた。

 何とか引き取ってくれないだろうか?

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