第64話 何とか合流した
「ま、まあ、私が探索魔法を使えることはさておき......ミリムのことが心配だ! 早く探しに行こう」
「え......ええ。そうですね。急ぎましょう」
私は少し強引に話題をそらしたがカーミラは何も聞かずに私の提案にのってくれた。
私は魔法に従って示された場所まで進むとそこにはキノコを拾い集めているミリムがいた。
「これは! なんて鮮やかで独特のにおいを放つキノコだろうか! これは絶対に美味しいぞ!」
「それどう見ても毒キノコだから! 鑑定を使わなくても分かるくらい毒キノコだから! ええい、キュア!」
ミリムが毒キノコを口に入れようとしたところに私は状態異常回復魔法を使用した。
「......はっ! こ、これはモウドクシビレダケ! こんなの食べたら死んじゃうのじゃ!」
ミリムは手に持っていたキノコを投げ捨てた。
カーミラの最悪の事態の予想があたっていたようでミリムは本当に自害するところだった。だけど何とか寸前で止めることができてよかった。
「ここはどこなんじゃ?」
錯乱状態が重度になると記憶もなくなるのか。これからは要注意しないと。
「......というかエルフなら迷わずに森を抜けられるんじゃなかったの?」
私はふと気になってミリムに聞いてみた。
「すまんのじゃ。今思い出したのじゃが、わしはエルフ族の中でも魔法抵抗が弱くてこの森は抜けられんかったのをすっかり忘れとったのじゃ」
「この森に入ったときと言っていること逆なんだけど......というか最悪パーティー全滅するところだったのか......」
よかった......私魔法の才能あって。森を抜けたらこのポンコツ近くの街にでも捨てて行こう。こっちの命も危ないから。
いや、探索魔法で居場所がばれるか......
「マコトさんどうしたんですか?」
「何でもないよ。カーミラ」
私は諦めてミリムの案内でチカちゃんを探すしかないと悟ったのだった。
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