第62話 噛みつく攻撃
「いっただっきまーす!」
「ちょっと待って......」
私の抑止の言葉も効かずミリムは大口を開けてオオカミの魔物に飛びかかった。
「ギャウン!!」
オオカミの魔物は振りほどこうと体を上下左右に必死に動かすが、ミリムは噛みついたまま離れない。
「な......何と言う執念......いや、感心している場合じゃないな」
オオカミの魔物はこっちにもやってきたのだ。
私は剣を抜き飛びかかってくるオオカミの魔物を次々に切り捨てる。
数匹倒すとオオカミの魔物たちは恐れをなして逃げて行った。
「ふぅ......何とかなったみたいだ。さて2人とも無事かな......」
ミリムは......まさか噛みつくという物理攻撃でオオカミの魔物を倒したようだ。
カーミラは木のそばでもたれかかるように座っている。
私はカーミラに近づいて手を差し伸べる。
「大丈夫だった? 魔物はもうどこかに言ったからもう大丈夫だよ」
「そう言って油断したところを襲うつもりですか! 僕には好きな人がいるんです! お前のようなやつの好きにはさせませんよ!」
カーミラは獣のように警戒した姿勢でこちらを睨んできた。
おや......カーミラも話が通じなくなってきたぞ。
「ステータス」
何か2人を元に戻すことはできないかな......これの魔法がいいかな。
キュア・・・すべての異常状態を解除します。
「キュア!」
とりあえず目の前のカーミラに魔法を使用した。
「あれ.......僕は一体......」
カーミラは我に返ったようにいつもの様子に戻った。どうやらうまくいったようだ。
「あ、そうだ......ところでカーミラって好きな人いたんだね」
「えっ......なんで知って......い、いえ。いませんよ! 好きな人なんて!」
私の一言でカーミラは一気に顔が真っ赤になって手をバタバタと振って必死に否定する。
好きな人の話で赤くなるなんて意外と女の子らしいところもあるじゃない。
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