第60話 頭が良いの?
「お主ら本当に運が良かったのう。わしが協力すれば探し人なぞすぐに見つけてやるのじゃ」
上機嫌にミリムは鼻歌を歌いながら私たちの前を歩いている。
運が良かった? いいえ、変なの(ミリム)に絡まれてますからどう考えても運が悪いでしょ?
「今更言うのも何なんですけど、アヤナさん置いてきてよかったんでしょうか? 別に僕の家に泊まってもらう分には構いませんけど......」
「あ......」
カーミラの一言で思い出した。アヤナをカーミラの家に置いてきたんだった......
「ま、まぁ......子供じゃないし大丈夫でしょ......」
「マコトさんがそう言うなら」
自分で大丈夫って言ったけどアヤナ王様とのやり取りでやらかした前科があるから少し不安だ。
いや、大丈夫か......今までどう生きてたかは知らないけど何とか生きていけてたんだし......やっぱり大丈夫かな?
私がループする思考をしているとミリムが突然立ち止まった。
「どうしたの? ミリム?」
目の前を見ると巨大な森が広がっているのが見える。
「ここは迷いの森なのじゃ。避けて通るのが無難じゃの。じゃが......このエルフであるわしがおれば迷うことはないから安心するのじゃ」
私は少し不安になってカーミラの顔を見た。
「エルフは知力が高いので迷いの森を抜けるのなんて朝飯前って聞いたことがあります。おそらく大丈夫でしょう」
「ねぇ、カーミラ。本当にミリムは知力が高いのかな?」
「高いに決まっておるじゃろ!」
私はカーミラに質問をしたのになぜか横からミリムが答えた。
「黙ってわしについてくるのじゃ!」
――――1時間後
「すまんのじゃ......迷ってしまったのじゃ......」
ミリムは冷汗をダラダラと流して私たちに謝罪している。
さっきまでの自信はドブにでも捨てたのだろうか?
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