第59話 捜索魔法
徐々にミリムの顔が自信満々の顔から驚きの表情に変わっていく。
「そ、そうじゃったのじゃ!」
ミリムは私の突っ込みでどうやら気がついたようだ。
「もしかしたら、危ない人じゃなくてただの馬鹿なのかもしれない......」
「どっちにしても失礼じゃの! じゃがここまで来てこっちも引き下がれん! お願いなのじゃ! お主たちの人探しを手伝わせてほしいのじゃ」
......なぜか本来お願する立場の私たちに対して、この人は頭を下げてお願いしてきたよ......
「マコトさん、僕はこの人は悪い人じゃない気がしてきました。手掛かりもないですしミリムさんを頼ってみませんか?」
「カーミラがそう言うなら頼って見るのも悪くないかもね。ところでミリムは似顔絵とかじゃ探せないの?」
ミリムは頭を上げて腰に手を当てて自信満々のこう言った。
「もちろんできるのじゃ!」
「先にそれを言ってよ!」
「先にそれを言ってくださいよ!」
ミリムの答えにほぼ同時に私とカーミラは突っ込みを入れた。
私はステータス画面を表示した。以前見たスキルの中に模写魔法と言うのがあったのを覚えていたからだ。きっとその魔法を使えばチカちゃんの似顔絵が簡単に描けるはずだ。
魔法を探している最中に気になる魔法を見つけてしまった。
捜索魔法・・・思い描いた人物がどこにいるか分ります。
......見なかったことにしよう。これを使ってしまったら本当に目の前のミリムがいらない子になってしまう。
私は引き続き魔法を探しているとついに見つけた。
「あった、リプロデュース!」
私は魔法を使って1枚の紙にチカちゃんの顔が浮かび上がらせた。
「おお、すごいのじゃ! これだけはっきりとしていればすぐに見つけて見せるのじゃ! ......むむむ......分ったのじゃ! 南西方向50キロ先にいるのじゃ!」
「ありがとうミリム。助かったよ!」
「じゃあ早速行くのじゃ!」
私たちの前に先陣を切ってミリムが歩きだす。
うん。予想はしてたけどね......やっぱりついて来るよね。
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