第54話 どこに行ったの?

「もしかしたらチカちゃんはトイレとかにでもいっているんじゃないでしょうか?」

 カーミラは完全に冷静になった頭で私に言った。

「そう、かもしれないね。しばらく待っていれば戻ってくるか......」

 しかし、それから30分くらい経ってもチカちゃんが現れなかった。

「やっぱり探してみよう」

 私は立ち上がってそのまま部屋を出た。

「待ってください。僕も一緒に探します!」

「カーミラ、ありがとう。手わけをして探そうか」

「そうですね。じゃあ僕は1階を探しますのでマコトさんは2階をお願いしてもいいですか?」

「分った。それじゃあ頼むよ」

 しかし、私たちは必死に探したけれど、それからまた30分くらい探したけど結局チカちゃんを見つからなかった。

「マコトさん。そっちはどうでしたか?」

「いや、こっちにはいないみたい。そう聞いてくるってことは1階にも......?」

 私の問いかけにカーミラは首を横に振って答えた。やっぱり居なかったようだ。

「ふぁ~よく寝た!」

 背伸びをしながらアヤナがこっちに向かって歩いてきた。そして、私とカーミラを見つけて駆け寄ってきた。

「マコトさん、おはようございます。後ついでにカーミラもおはよう」

「おはよう」

「おはようございます」

 私とカーミラはアヤナに挨拶を返した。

「今日もいい天気ですね! ところで何でそんな深刻そうな顔をしているんですか? もしかして昨日私がお肉3切れも多く食べたこと怒っているんですか?」

「いや、別に気にしてないけど......」

 そんなこと数えてもいないから知らなかったけど。

「じゃあいったい何なんですか?」

「チカちゃんがいなくなったんだ」

「ああ、あのクソガ......こほん、チカちゃんなら昨日の夜遅くに外に出て行きましたよ」

「また、クソガキって言おうとしたよ......いやちょっと待って、今何て言った!?」

 私は慌てて両手でアヤナの肩を掴んだ。

「そんな、マコトさん。私強引なのも嫌じゃないですけど初めてのときは優しく......」

 アヤナは頬を赤く染めて何か変なスイッチが入ったように顔を若干背けつつこちらをチラチラ見てきている。

「何もしないよ! それより昨日のことを詳しく!」

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