第53話 遺伝を信じて
――――翌日
心地よい日差しで私は目を覚ました。
昨日はあの後着かれていたのもあって豪華な食事をご馳走してもらってすぐに寝てしまった。
私の隣ではだらしなくアヤナが腹を出して寝ていた。ポリポリと腹をかき満足そうな表情で寝ている。
「うにゃ......ステーキ......お刺身......」
アヤナは夢の中でも食べ続けているようだ。
「まったく、しょうがない子だね。少しはチカちゃんを見習って......? あれ?」
チカちゃんの寝ていたベッドを見るとベッドメイキングがされていて、そこにはチカちゃんの姿はなかった。
「お腹が減って先にダイニングにでも行ったのかな?」
私ももう目が覚めてしまったのでダイニングに向かうことにした。
ダイニングにはもう既にカーミラとカーミラの母がいた。朝ごはんの準備をしているのかとても美味しそうなにおいが漂っている。
「マコトさん、おはようございます。昨日はゆっくり休めましたか?」
「おはよう。休めたよ。ありがとう」
カーミラにあいさつされたので私は返事をした。
その後、部屋の中をきょろきょろと見回してみたがチカちゃんの姿はない。
「カーミラ、チカちゃんは?」
「え? すみません。今日は見てないですね」
カーミラは申し訳なさそうに頭を下げて私に謝った。
「まぁまぁ! 呼び方がカーミラになっているわね! もしかして、一線超えちゃったりしたの?」
カーミラの母が嬉しそうにカーミラの頭をポンポンと軽く叩いた。
「か、母さん! 何言っているんだよ! ぼ、僕みたいに小さい胸じゃ好きになってもらえるはずないし!」
カーミラが茹でダコのように頭を真っ赤にして手をバタバタとわななかせていた。
「大丈夫よ! 母さんを見なさい! 母さんは巨乳よ! しかも、今の父さんもよく分らない薬で巨乳になっているわ! つまり巨乳の両親のあなたもいずれは巨乳よ!」
カーミラの母は胸を強調するように背筋を張ってみせた
「そっか、それなら安心......ちょっと母さん? 今の話、父さんが巨乳なのは関係ないよね?」
カーミラは暴走しているように見えたが意外と冷静かつ的確に母に突っ込みを入れていた。
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