第50話 冒険者をする理由
洞窟から地上に出ると本当にアヤナがつらそうな表情だったので洞窟から離れた場所で休憩をとることにした。
カーミラを木にもたれかかるように座らせて、私とアヤナもすぐそばに座りこんだ。
「ぜぇぜぇ......カーミラ重すぎ......もう少しダイエットした方がいいんじゃない?」
「はい......すみません。努力します......」
アヤナは息を切らしながらカーミラの体重について文句を言っていた。
私から見てどう見てもカーミラは太っているように見えない。たぶんアヤナが冒険者としては力がないだけだろう。
「アヤナはもう少し鍛えた方がいいんじゃないかな?」
「マコトさんはその方がタイプですか?」
「いや、そう言う話じゃなくて、冒険者なら戦うんだからある程度筋力がないとと思ってね」
「マコトさん......女の子は腕とか細い方がモテるんですよ!!」
アヤナは名言のように堂々と私に言い放った。
「なら......冒険者やめたら? モテたいなら別の仕事のほうが良いと思うんだけど......」
「マコトさん、分ってないですね。冒険者は男が多くて女が少ないつまり......女にとって有利な職場なんですよ!!」
この子は冒険者という仕事に何を求めているんだろうか?
「あの、お2人とも今日は本当にありがとうございました」
カーミラはまだあまり動かない体だったのに頭を下げて突然私たちにお礼を言った。
「いや、気にしなくてもいいよ(私はイケメンに会えたし)」
「魔王軍幹部討伐の報酬はどれくらい貰えるのかしら? 報酬は私たちが9割でカーミラが1割でいいわよね?」
私たちって何? アヤナは何もしていないよね?
「はい。大丈夫ですよ。僕は魔王軍幹部を倒してもらえただけでも満足ですから」
アヤナの提案に苦笑いをしながらカーミラは答えた。
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