第49話 私が背負います

「す、すごい! 見たこともない技だったけど魔王軍幹部をあんなにあっさり......」

 カールは私の戦いを見てとても驚いた表情で私のことを見ていた。

「私も初めて戦い方見たけどこんなにあっさり勝てるなんて思わなかったわ」

 アヤナも目を丸くして私のことを見ている。

「とりあえず勝てたし帰ろうか」

「あの......すみません。僕、魔力切れで動けないので背負っていただけると助かります」

 カールが倒れたまま申し訳なさそうに私とアヤナのほうを見ている。

「じゃあ私が......」

「ダメです! 私が背負います!」

 私は自分がカールを背負おうと思い申し出たのだがアヤナに止められた。

 私が戦いで疲れているとかそういうのを気遣ってくれたのかしら。意外に気が回るじゃない。

「カールってさっきの話聞く限り女の子でしょ! マコトさんにおっぱいを背中にこすりつけるようにあてるつもりでしょ!」

 先ほどの発言で折角上ったアヤナの株が急暴落してしまった。

「バ、バカなこと言わないでよ! 男だってウソついてたのは悪かったけど、僕の胸のサイズは本当に小さいんだよ! あてるほどサイズないよ!」

 自分で胸のサイズの話をしたにもかかわらずカールは落ち込んでしまった。

「とにかく私が背負うわ......お、重い......ぬぐぐぐ」

 顔を真っ赤にしてアヤナは必至にカールを背負っている。

「やっぱり代わろうか?」

 私は明らかに力不足なアヤナに提案した。

「だ、だい......じょう......ぶです」

 全くそうは見えないけど。本人が大丈夫と言っているんだからしばらく見守ってあげよう。

「すみません。アヤナさん。......そうだ、お2人に僕の本当の名前教えますね。カールは男だと思ってもらうための名前でしたので。カーミラそれが本当の僕の名前です」

「カーミラ、改めてよろしくね」

 私はカーミラに微笑みかけた。

「カーミラ......あんたほんとに胸ないわね......同じ女として同情するわ」

「大きなお世話です!」

 カーミラは顔を真っ赤にして若干涙目になってた。

 うん......私も貧乳の気持ちは分らなくもないから。

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