第48話 上半身裸だとアレに目がいっちゃいます

「次はどちらが相手をしてくれるのだ?」

 魔王軍幹部は私とアヤナを睨みつけてきた。

「マコトさん! 頑張ってください!」

 この状況ならそうなるよね。私としてもアヤナが負けるのを待つのも面倒だし願ったり叶ったりだけど。

 私は何も言わず一歩前に出る。

「ほぅ......貴様が相手か? 死ぬ前に名前くらい聞いてやろう」

「マコト。あなたの名前は?」

「冥土の土産に教えてやろう。我が名は魔王軍幹部ブロンだ」

 ブロンは攻撃の構えをとった。

「いくぞ! インフェルノフレア!」

 ブロンの手から青黒い炎が私に向かって近づいてくる。ブロンの顔を傷つけたくないのでとりあえず私は回避する。

「ちょ、マコトさんこっちに炎が!」

「あ......」

 アヤナがいるのを忘れてた。

 急いで回り込みアヤナを守るようにして炎の前に立ちふさがる。

『固有魔法[オートマジックカウンター]を発動します』

 システム音のような声が聞こえると私の周りにバリアが貼られ、青黒い炎はブロンに跳ね返る。

「ぎゃぁああああ!!」

 跳ね返った炎でブロンは焼かれる。

 ごめんねブロン......アヤナがもっと強そうだったら庇わなくてもよかったんだけど。

「くっ......まさかこのような技を持っているとは。だがこれで勝ったと思うなよ!」

「もちろん......ここからが本番だからね(だって、まだ全然イチャイチャしてないからね)」

 ブロンは下を向いて頭を右手で押さえて笑い始めた。

「ククク......なかなかの自信だな......何? どこに行った?」

 ブロンはあたりをキョロキョロ見回して私のことを探している。

 そう、下を向いたタイミングを見逃さず私はブロンの後ろに回った。

 私はデコピンの構えをしてブロンの後ろから前へ回り込んだ。

「そこにいたのか!? 素早いやつめ!」

 ブロンは慌てて腕をクロスする形で防御姿勢をとった。

 だけどその防御は無意味よ!

 私は優しくブロンの右乳首にデコピンを当てた。

「はぁあああん!!」

 ブロンはよろけたように後ろに下がる。しかし私は続けては左の乳首めがけて優しくデコピンをした。

「ら、らめぇ!」

 崩れるようにブロンはそのまま地面に倒れ込んだ。

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