第46話 魔王軍幹部のアジトに侵入する
道なりに進んでいくと魔物たちが出入りしている洞窟があった。茂みから私たちは様子を探っていた。
アヤナを戦力としてカウントするかどうかはさておき前衛職は私しかいないということね。
魔物相手じゃテンション上がらないよ......
何か適当な魔法で倒せないかな。
「ステータス」
雑魚を一掃できるような魔法がないかざっと目を通して確認する。
......丁度いいのがあった。
「えっと......全敵ロックオンホリーアロー」
私が魔法を発動するとここから見える敵すべてに光の矢が発射された。
「すごい......あんなにたくさんいた魔物を一瞬で倒してしまった」
カールは目の前で次々と倒れていく魔物を見ながら唖然とした表情で呟いた。
「そんなの当たり前じゃない。なんたって私の彼氏なんだから!」
「彼氏になった覚えはない......」
「もう、照れちゃって!」
なんだかアヤナに突っ込むのが面倒臭くなってきた。どのみち私の今の興味は次の魔王軍幹部。つまりイケメンだけだからね!
「先に進みましょう」
カールが茂みから出て洞窟に向かう。
私も後ろで頬を赤く染めもじもじしているアヤナを放置してカールの後ろをついていく。
「ちょっと! こんなところに美少女放置ですか!? マコトさん!」
結局アヤナも私を追いかけるように小走りでついて来た。
洞窟の中に入るとたいまつが壁に張り巡らされており意外と明るかった。
その反面、敵からもこちらの姿が丸見えになるわけだから注意して進まなければならない。
早速お出ましのようだ。
「しんにゅ......」
「全敵ロックオンホリーアロー」
私は目の前の魔物が仲間を呼ぶ前にあたりにいる魔物をせん滅した。
「あの......もしかして僕は役立たずですか? マコトさん怪我する様子ないですし......」
「いやいや、カールは役に立っているよ(イケメンだから目の保養として)」
イケメンのちょっといじけた表情も絵になっていいね!
「私は役に立ってますよね? 美少女が近くにいるだけで男性冒険者は嬉しいですもんね!」
「いやいや、アヤナは本当に何の役にも立ってないよ」
「なんで私には冷たいんですか!? ツンデレですか? ツンデレだったんですか!?」
まあ、あえて言えばアヤナに対してはただのツンかな。
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