第40話 受けのジャンル
チカちゃんの着替えを手伝いながら私も手早く着替えて部屋に戻ろうとするとカールのお母さんに出会った。
「お風呂どうだったかしら?」
「ええ。とても気持ち良かったです」
私は首に巻いたタオルでまだ少し濡れていた顔を拭きながら答える。
「それとあの子はどうだったかしら? いい体してたでしょ?」
そ、そ、そ、そ、それはつまり母親公認のBLということなの!? その質問はそうとしか聞こえないよ?
「ええ。とても(受けには最適の)魅力的な体でした」
「まぁまぁまぁ! 私はあなたたちのこと応援してるからね! 夕食の用意ができてるからいっぱい食べて行ってね!」
カールの母はそう言って私たちをダイニングのほうに案内する。
しばらくするとおいしそうな料理の匂いがして急にお腹がすいてきたような感覚になる。
「わーい! ご飯だぁ!」
チカちゃんは嬉しそうにいい匂いのするほうへ走っていく。
「すみませんね。いろいろ良くしてもらって」
私はカールの母に申し訳ない気持ちでペコペコした。
「いいえ。あの子を助けてあげたんですってね。お礼と思って受取っていただけないかしら?」
「分りました。ありがとうございます」
私はお礼を言って先にチカちゃんが座っているテーブルの席についた。
席に着いたと同時にすごい勢いで近づいてくる足音が聞こえた。
「母さん......何これ?」
私はその声に反応してカールのほうを見ると女物の服を着ていたのだ。
体が細いのもあって女装も似合うなと思うのはきっと私だけじゃないだろう。女装受けというのもたまには変わっていいのかもしれない。
「何って......服だけど?」
「そうじゃなくて、僕が用意した服返してよ!」
「そっちのほうが可愛いのに......」
「いいから!」
カールの母はあきらめたように隠していた服をカールに手渡した。そしてカールは恥ずかしそな顔をしながら部屋から出て行った。
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