第39話 久しぶりのお風呂
お風呂場に着くとお風呂場というよりは温泉のように広い更衣室が広がっていた。
私たちは服を脱いで奥の扉を開ける。
「あれ......誰か中にいる?」
湯気でよく見えないが誰かいたのだ。もう少し近づいてみるとカールがお湯から出ようとしていた。
「えっ......どうしてマコトさんが!?」
急いでカールはお湯の中に戻り、体にタオルを巻いた。
「ごめん......カールのお母さんにお風呂に入らないか勧められたから入ることにしたんだ。まあでも男同士だからいいよね?」
......と適当にそれっぽい理由を言ったところでイケメンの裸を堪能させてもらいましょうか。
体のラインが全体的に細い。スポーツマン系のイケメンというよりは勉強できるメガネ系のイケメンっぽい体つきだな。
「へ、へぇ。そうなんですか......あの馬鹿母め。ま、まあ男同士ですし、僕は一緒に入るのは構いませんよ」
カールは顔を真っ赤にして恥ずかしそうに目を背けた。
私のそばに小さいとはいえ女の子が居るのに私のほうが気になるんだろうか?
チカちゃんと私の汗を流しお風呂に入った。こっちの世界にきてこんな大きなお風呂につかることなんてなかったから極楽だ。
チカちゃんも楽しそうにお風呂で泳ぎ始めている。
私はカールのほうから視線を感じたので見てみるとカールはなぜか私のほうをチラチラと横目で何度も見て来ていた。
「えっと......どうかしたの?」
「マコトさん良い体つきですね!」
ほぅ......もしかしたらカールは天然のBL属性持ちなのだろうか? カールとは仲良くできそうな気がするわ。
「ありがとう。カールも受け(※BL用語)としては最適な体つきだと思うよ」
生前にリナちゃんが「華奢な体つきの男子は絶対に受けキャラだよ! ここ重要だから覚えておくように!」って言ってた。
私と比べても圧倒的に細いカールの体はまさに受けキャラとしてふさわしい体つきだと思える。
「受け......? つまり防御系の冒険者が向いているということですか?」
「うん。(華奢な男子が恥ずかしがって苦悶する姿は)最適だと思うよ」
「分りました。マコトさんが言うなら僕は防御系にもチャレンジしてみます!」
チカちゃんに私の腕をゆすられた。
「チカね。体ポカポカするからそろそろあがっていい?」
「うん。あがろうか」
私とチカちゃんはカールを置いて先にお風呂からあがるのだった。
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