第37話 イケメンの家にお邪魔する
私はアヤナを背中に担いでチカちゃんと一緒に男の子に案内されるままついていく。
「ところで君の名前は何て言うの?」
私は男の子に尋ねた。
「僕の名前はカー......」
男の子は途中まで言いかけるとそこで言葉に詰まった。
「どうしたの?」
私は男の子に様子を心配して聞いてみた。
男の子は少し考えるような姿を見せた後答えた。
「いえ、すみません。僕の名前はカールといいます」
「カールね。よろしく!」
「はい。よろしくお願いします!」
その男の子は一礼した。
そうだ私たちのほうも紹介しないと!
「私の名前はマコト、背中にいるのがアヤナ、でこっちの女の子が......」
「チカはね、チカって言うの!」
カールはしゃがんでチカちゃんの頭を撫でようと手を伸ばした。
「よろしくね、チカちゃん」
しかし、チカちゃんはカールの手を振り払った。
「え?」
カールは戸惑ったようにチカちゃんを見る。
「チカね。マコトお兄ちゃん以外の男の人に触られるわけにはいかないの。『将来の旦那さま以外の男には手を触れさせたらダメよ』ってママに言われているの」
「そ......そうなんだ。えらいね」
チカちゃんに圧倒されたカールはそう言って手を引っ込めた。
チカちゃんのお母さんそっちの教育もしていたんだ。正しい教育......いやちょっとガード固すぎない?
しばらく私たちは歩くとこの街で一番大きな建物に着いた。
「ここが僕の家です」
カールはそう言って門を開く。
「大きい家だね」
チカちゃんは見上げるようにカールの家を見上げている。
「あら、お帰りなさい。カー......」
1人の女の人が家から出てきたかと思うとすさまじい速度でカールはその女の人の口を塞ぎに行った。
「ただいま母さん。この人たちは僕の友人だよ。今日は泊まってもらおうと思っているんだ」
「泊まってもらうって......はっもしかして同じベッドで......? あんなことやこんなことをするつもりなの?」
カールの母はなんだか嬉しそうな顔をしている。
「違うよ! 母さん! 妄想はストップして! 客室を用意してくれるだけでいいから!」
「なんだ。そうなの......」
カールの母は残念そうな顔をして家の中に戻った。
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