第36話 イケメンを助けた

「なんだ? お前?」

「邪魔するとぶっ殺すぞ!」

 ガラの悪そう2人のな男たちは私に暴言を吐いてくる。

 イケメンに頼られているこの状況で私が引くわけがないでしょ。

「あんたたちこそ消え失せろ! イケメンは世界の宝でしょうが!!」

 私は嬉しさのあまり心の声がそのまま出てしまった。

「な、何なんだこいつ! 言っていることが理解できん」

「よく分らんがさっさとこいつを始末しようぜ」

 ガラの悪そうな2人の男たちはナイフを片手に持って私に襲いかかってくる。

 私は剣を鞘から抜かずにそのまま殴りつける。

「がはっ......」

 片方の男は壁に頭をぶつけてそのまま倒れた。

「やりやがったな!」

 もう1人の男が近くまで迫ってきた。

 しかし私はそのまま剣を男の腹に向けて突きで攻撃する。

「ぐはっ......」

 もう1人の男もそのまま路地の奥の方へ突き飛ばした。

「こっち!」

 私は男の子の手を引いて表通りのほうに出た。

「お兄ちゃん。おかえり」

 チカちゃんがなぜか裏路地の入口付近で待っていた。

「あれ......チカちゃん、アヤナのこと見ててって言ったよね?」

 私はチカちゃんに尋ねた。

「うん! チカ見てたよ! 子供たちが顔に落書きしているところずっと見てた!」

 どうやらチカちゃんは言葉通りに受け取ったようだ。というか現在進行形で落書きされているし......

「コラー!」

 私が叫ぶと子供たちはびくっと体を震わせて逃げて行った。

「仕方ない......さっさと宿屋を探してアヤナの顔の落書きを消してあげよう」

 私はため息をつきながら呟いた。

「あの......手放してもらえませんか?」

「あ、ごめん!」

 その男の子の言葉で私は慌てて手を離した。

「宿屋をお探しですか? もしよかったら僕の家に来ませんか? さっきのお礼もしたいですし......」

「ありがとう。さっそく行こうか」

 私はその男の子の提案に即答した。

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