第34話 女の闘い

「ちょっと旦那さまってどういうことですかマコトさん! 私という彼女がいながら浮気ですか!?」

 アヤナがすかさず突っ込みを入れるが私もその言葉にさらに突っ込みを入れる。

「アヤナは私の彼女じゃないでしょ!」

「そうだよ。お兄ちゃんはチカの恋人だよ?」

 チカちゃんまで乱入してきた。私はチカちゃんにも突っ込みを入れようと思ったがその前にアヤナが先に口を開く。

「黙りなさいクソガキ! あんたみたいな幼児体型にマコトさんが興味あるわけないでしょ! 男はね、私のようにナイスバディな女が好きに決まっているでしょ!」

 胸を強調していわゆるセクシィポーズで私にアピールしてくる。女体に興味はないから私には効果はないけどね。

 そんなことを考えているとレイラがまた私に襲いかかってきた。

 だが、アヤナが今回は私とレイラの間に入った。

「何よあんた、まさかアタシと勝負しようって言うんじゃないでしょうね?」

「勝負? 私とあなたじゃ勝負にならないでしょ? 特にその傷んだ肌とか。ねぇ......おばさん」

 レイラはアヤナを挑発したのでアヤナ言葉で反撃をした。

「おば......さんだと......」

「姉ちゃん! 落ち着け!」

 レイラはぷるぷると震え始めた。それに対してヤクモはバタバタと手を振って何とか姉を落ち着かせようとしている。

 もしかしておばさんは禁句だったのかもしれない?

 レイラが自分の腰からナイフを取り出した。

 あれ......これやばいやつじゃない?

「だったらあんたの顔は傷ものになればアタシのほうが魅力的よね?」

 なんだよその謎理論は!

「私の冒険者としての実力を見せるときがきたわね!」

 少なくともそれは今じゃないだろ!

「2人ともやめるんだ! ここで戦ったら部屋が血で汚れて宿屋の人に迷惑がかかるだろ!」

 ヤクモ......止めてくれるのはありがたいけど理由は違うと思うよ......

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