第24話 騎士長に見捨てられた街

 街の騒がしい方に向かってみると悪い予感があたり魔物たちが暴れまわっていた。

 何とかお城の方にちかづけさせないように兵士たちも戦っている。

 そんな中こっそりと立ち去ろうとしている初老の騎士がいた。

 街がこんな状態なのに逃げ出すつもりか。騎士としての誇りはないのか!?

 ん? 待てよあの人見たことがあるぞ......

「バランさん何やっているんですか?」

「ぬ......お主は!?」

 バランさんもこちらに気づいたようだ。

「後は任せた! 私は忙しいんだ!」

「いや、今こそバランさんの活躍するタイミングじゃないですか! この国ではかなり強いって言ってたじゃないですか?」

「馬鹿め! もうこうなったらこの国は終わりなんだよ! 命あってこそだ! とにかく私は逃げさせてもらう!」

 そう吐き捨ててバランさんは走り去っていった。

 えぇ......この国終わったじゃん。騎士長が逃げだすってマジでやばいやつじゃん。

「なら早いところ私も逃げよう。せめてヤクモとアヤナだけでも連れて帰ろう......」

 しょうがないよ。だって私は正義のヒーローじゃないもの。魔物と戦うのだって怖いもん。

 私は心の中で言い訳を重ねて地下牢へと向かう。

「誰かぁ!! 助けてぇ!!」

 親とはぐれてしまったのかゴブリンたちに囲まれている6、7歳くらいの女の子が壊れた家のそばにいた。

 周りの人たちは自分たちが助かるためにその女の子には目もくれず走り去っていく。

「キシャァアアア!」

 ゴブリンたちは女の子にさらに詰め寄る。それと同時に地下牢へと向かおうとした私の足が止まった。

 やっぱりダメだよ......目の前で殺されそうになっている女の子を見捨てられないよ。

 私は剣でゴブリンたちの頭をはねる。

 すると女の子に襲いかかろうとしていたゴブリンたちの注目は私の方へ向く。

 ゴブリンたちは私に襲いかかってきたが1匹1匹を次々と切り捨て、数が減ってきた残りのゴブリンたちは逃げ出した。

「お兄ちゃんありがとう!」

 襲われていた女の子が私に駆け寄ってきてお礼を言った。

「大丈夫だった?」

「うん。チカね。お兄ちゃんが助けてくれたから怪我しなかったよ」

「そっか。よかった」

「だからね。チカ大きくなったらお礼にお兄ちゃんにおっぱい触らせてあげるね。男の人はおっぱい大好きだからそうしたら喜ぶってママに聞いたの」

 チカちゃんのおかーさーん! あなたの教育方針間違ってますよ!

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