第22話 魔王の手先に襲われた町の調査をする

「ここが問題の街か......」

 家や建物がめちゃくちゃに壊されていて人の気配はない。

 代わりに魔物たちが堂々と歩きまわっている。

「何も心配はいらないさ。アタシの強さをみせてあげるわ!」

 レイラは持っている剣で次々と魔物たちを倒していく。

 どうやら強いのは嘘ではないらしい。

 さっきまでそのあたりをうろついていた魔物はみるみるうちに減ってすっかりいなくなってしまった。

「すごい......」

 私は予想以上のレイラの強さに驚いて声が出てしまった。

「どう? アタシの強さを見て惚れちゃったりした?」

 どうしてもそっちの方向にもっていきたいのね......この人。

「カッコイイとは思うけど惚れないよ」

「まだアピールが足りないってことね。これは長期戦になりそうね」

 この人の辞書には諦めると言う言葉はないのだろうか?

 しかし、せっかく魔物を倒してもらったけれど結局手がかりのようなものも見つけることはできなかった。

「ごめん。折角ついて来てくれたのに手がかりが見つからなかったよ」

「いや、マコトとデートができて楽しかったから問題ないよ」

 そもそもこの人の目的は違うから謝る必要なかったな。

 この人ギルドのお姉さんが言ったとおり相当しつこいな......

 ヤクモでも紹介したら諦めてくれるだろうか?

 そんなことを考えながら街に戻っているときに異変に気づいた。

 街の方から煙が上がっていたのだ

「何か燃えてない?」

 私はレイラに聞いてみた。

「燃えているわ......アタシの恋の炎がメラメラ燃えているよ!」

 レイラは拳を握りしめて本当に彼女の後ろから炎が出ているかのような暑苦しさを感じる。

 そうじゃない.....レイラが燃えているかどうかは聞いてない!

「いや、そうじゃなくて街の方!」

「え? あ、本当だ。燃えているね」

 反応薄っ!

 とにかく急いで街に戻ろう!

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