第20話 調査を手伝ってくれる人が現れた
なんだよ......全く無意味な聞き込みだったじゃない......
私はさっきの冒険者の話を聞いたことに後悔する。
「仕方ない......他の人に話を聞こう」
しかし、誰に聞けばいいのだろうか。受付のお姉さんなら知っているだろうか?
「すみません。魔王の手先がこの近くに現れたと言う情報を聞いたのですが、どこの街か知ってますか?」
「はい。こちらのギルドにも情報入ってますよ。えっと......ここから北東の街に来たみたいですよ」
あっさり情報が手に入ってしまった。5分もかからなかったよ。
「ありがとうございます。早速調査に行ってきます」
私はそのまま背を向けてギルドから出ようとする。
「あの、ちょっと待ってください!」
受付のお姉さんに呼び止められたので振り返る。
「どうかしましたか?」
「今あの街は魔物がいっぱい出ますよ。危険ですからやめておいた方がいいと思いますよ......」
えぇ......嫌だなぁ。魔物いっぱいか......
「お兄さんお困りのようだね?」
突然話しかけられたので後ろを振り向く。すると熟練そうな女冒険者に話しかけられた。
「ええっと? あなたは?」
「アタシの名前はレイラ。29歳独身、料理掃除などの家事全般が得意で、Aランクの魔物討伐の経験ある......ちなみに彼氏絶賛募集中だ!!」
いやそこまで聞いていない......
受付のお姉さんはこっちこっちって合図をしていた。
私はお姉さんのところまで行くと耳元に口を近づけて小さな声で教えてくれた。
「あの人は何かにつけて男性冒険者に交際を迫ってくる人ですから気を付けた方がいいと思いますよ」
へ、へぇ......そんな人もいるんだ。
いつの間にかレイラが私の隣に移動していた。
「よかったら力を貸してあげるけど?」
NOとは言わせないような圧力を感じて「いいえ結構です」とは言いだせなかった。
「よろしくお願いします......」
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