第17話 地下牢で面会をする

 あの後、私とヤクモは地下牢に閉じ込められているアヤナに会いに行った。

「マコトさん! 冤罪ですよね? これ絶対冤罪ですよね?」

 冤罪じゃないよ......完全に罪だよ。

「アヤナさん、安心してください。マコトさんが魔王の手先を倒したらここから出してもらえる約束を取り付けました」

 ヤクモはグッジョブサインでアヤナに声をかけた。

「マコトさん......私のためにそこまでしてくれるなんて......やっぱり私のこと好きなんですね!!」

「いや、別に」

「もう、照れちゃって......ちょっとくらいなら胸触らせてあげますよ」

 アヤナは自分の両腕で胸を挟んで谷間を強調していた。

「触った後にその胸を引きちぎってもいいかな?」

 私は笑顔で答えた。

「いいわけないですよ! 何言っているんですかマコトさん!!」

 アヤナも元気そうだしそろそろここに来た目的を果たそうか。

「とりあえず、襲われたっていう村に行ってみようか。何か手掛かりがあるかもしれないし」

 このまま王都に魔王の手先が来るのを待っててもいいけど、イケメンには早く会ってみたい。

 何もせずに待っているのも退屈だし。

 私はその場を立ち去ろうと歩きだした。

「え? 私置いて行かれるんですか?」

 アヤナが寂しそうな目でこちらを見ている。

「いや、だから倒さないと出られないって」

「えぇ~寂しいとアヤナ死んじゃう~」

 アヤナがぶりっこポーズをして甘ったるい声で懇願してきた。

「アヤナさんやっぱり可愛いですね。俺ここで彼女を励まそうかなぁ」

 ヤクモが鼻の下をのばしてアヤナのことを見ていた。

 男ってこう言うのにだまされるのか......私は騙されないぞ。だって同じ女だし。

 しかし、アヤナの行動は勉強になるな......女の武器の使い方という点においてはね。

 だけど、それを勉強しても今後私は使う機会はあるのだろうか?

 今は男の体だし......

 悲しくなってきたので気を紛らわす意味でも他のことをしよう。

「私、1人で調べてくるよ」

 アヤナに骨抜きにされたヤクモを放置して私は1人で調べに行くことにした。

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