第15話 王様に挨拶に行く

「着いたぞ。ここが王都だ」

 バランさんのその言葉が目ざましになって私は目を覚ました。

 真っ先に寝たジジイに起こされるってのもなんだか複雑な気分だな。

「折角だ。王族の方々に挨拶できるよう私が取り次いでやる。ついてこい」

 白の前にいる兵士とバランさんが少し会話した後門が開かれた。

「こっちだ」

 先に進むバランさんに案内されるままついていく。

 いつもは面倒なことを避けるのになぜかって?

 イケメン王子様に会うために決まっているでしょ。

「マコトさん、やっぱすごいですね。王族のかたに会えるなんて。俺緊張しすぎて漏らしちゃうかもしれないですよ」

 漏らすのは勘弁してよ。行きたいならトイレ借りてきて!!

「静かにしろ......もうすぐ王の間だぞ。くれぐれも失礼のないようにな」

 安心してよバランさん。私はイケメンを眺めるだけでも満足できるタイプの人間だから。

 広い広間に出ると数人の姿が見える。

「お前らここでしゃがんで顔を伏せろ」

 言われるまま私は指示通り動く。顔を伏せているのでイケメンが眺められないのが残念でならない。

「国王陛下、魔王軍幹部を倒したという者たちを連れてまいりました」

「うむ......ご苦労だったな。みな顔をあげてよいぞ」

 王様の許しも出たし顔を上げる。いかにも王様って感じの大きな白鬚を蓄えて王冠をかぶっている人が目の前にいた。

 そしてその横にはティアラを頭の上に乗せたセクシーな女性が立っていいる。この人は王妃様といったところか。

 いよいよお待ちかねの王子様はっと......ん?

 そこには丸々と太った綺麗な服をきた女の子が3人いた。

 どうやらあの少女たちは姫様ってところなのだろう。ということは王子様いないじゃん......

 テンションが一気に下がった。

「ねえあのお兄さんちょっとイケメンじゃない? アタシタイプかも」

 こちらを見てその3人の少女たちは話をしている。

 女に好かれてもうれしくないんだけど。

「てかあそこの女、乳がでかいだけで顔は不細工じゃない?」

 ぴくっとアヤナが反応する。

 自分に自信があるのは分かるけどここで問題は起こさないでよ......相手はあれでも姫様だよ!!

「あんな顔で生きていくとかほんとかわいそうだわ」

「ちょっと!! 黙って聞いてたら私の悪口ばかり言って.......あんたたちの方が不細工でしょうが!!」

 アヤナが立ち上がってお姫様たちに宣言する。

 オイ......それ言っちゃだめなやつ......

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