第13話 王都からの使者

 私たちはその後他の冒険者と一緒にギルドに集まることになった。

 ギルドに先に集まっていた冒険者たちは真剣な表情をして物々しい雰囲気を漂わせていた。

「あとから来た冒険者たちがいるからもう一度説明する」

 白鬚をはやした威厳のある騎士が冒険者たちに宣言する。

 あの人が王都からの使者なのだろう。

「先日、王都のそばの街に来た強力な魔王の手先が街を滅ぼしたのだ。近々王都にもそやつがやってくるかもしれん」

 そんなことがあったのか......なら王都は危険そうだね。なるべく近づかないようにしよう。

「私は何とか王都を守るべくいろいろ調べ物をしていたところ、先日この村の者が魔王軍幹部を撃退したという話を聞いたのだ」

 冒険者たちがざわざわし始める。

「おい......それってもしかしてマコトさんのことじゃないか」

「間違いない。あの良く分らない技で倒してたもんな!」

 冒険者たちの注目が私に集まる。

「き、君があの魔王軍幹部を倒したのか!?」

 白鬚の騎士は私に近づいて来て握手した。

 私にはオジン趣味はないから全く嬉しくはないのだが。

「いえ、ただのまぐれですよ」

 イケメンじゃないとあんな技使いたくないし。

「それでも君に協力して欲しい。名乗るのが遅れたな私は騎士長バランと言う。よろしく頼むぞ」

 私はよろしくしたくないぞ!

「マコトです......」

「ああ、それから魔王の手先の似顔絵を描いてもらったんだが、情報共有として君にも見せておこう」

 バランさんは1枚の紙切れを私に見せた。

 目が大きくて、顎がシャープですっきりしているし、唇もやや薄いし、目元に泣きぼくろもある。

「喜んで力を貸しますよ。お話を詳しく聞きましょうか?」

「おお! 協力してくれるのか!? 何とも頼もしい青年だ!!」

 イケメンが相手なら話は別。是非とも直接会ってみたいものだ!

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