第12話 ダブルドラゴン

「くっ......まさか。もう1匹ドラゴンがいるとは思わなかったぜ」

「いや、待て今の俺たちにはマコトさんがいる!!」

 冒険者たちは振り向き、そこにいると思っている人物がいないことに驚く。

 何故なら私は予定通り逃げ出したからね。

 ドラゴンなんてそんな怖そうなのと戦えません!!

 私はふと目の前を見る。眼前には巨大な生物がそこにはいた。

「ギャォオオオオ!!」

 そうだった。もともとドラゴン倒しに来たんだった。

 「に゛ゃぁああああ!!」

 私は必死にドラゴンから逃げだした。

 無我夢中で走っているとさっきの冒険者たちがドラゴンと戦っているの姿が見える。

「マ、マコトさんが戻ってきたぞ!!」

「まさかもう1匹のドラゴンを見つけてそっちを倒しに行ってたなんて......」

 すいません......ただ逃げた先にドラゴンがいてまた逃げてきただけです.......

 2匹のドラゴンがどちらとも私に向けて炎を吐いてきた。

 なぜ私に集中砲火!? 誰か助けて!!

『固有魔法[オートマジックカウンター]を発動します』

 システム音のような声が聞こえると私の周りにバリアが貼られ、双方から向かってきた炎はそのバリアにあたる。

 そしてどちらの炎もそのままドラゴンたちに跳ね返す。

「や、やっちまった......さすがマコトさんだぜ!!」

「あんな強力なドラゴンを2匹とも倒しちまいやがった」

 冒険者たちの称賛の声が聞こえる。

 私は固有魔法とかいうものに頼っただけなのでなんだか申し訳ない気がするな。

「おーい!! みんな聞いてくれ!!」

 街の方から冒険者の一人がそう叫びながら走ってきた。

「王都から使者の方が来てる。どうやら王都のほうで何かあったようだ。冒険者をできる限り集めてくれと頼まれて呼びに来たんだ」

 ふ......なんだかめんどくさそうなことになりそうだ。

 私はこっそりその場を立ち去ろうとする。

「マコトさんどこ行くんですか?」

 ヤクモは私の両腕を掴んで逃げられないようにしてから話しかけてきた。

 厄介なことに巻き込まれそうな気がする。

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