第5話 薬草とキノコってどうやって見分ければいいんだろう
私は森に入って気がついた。
薬草ってどの草が薬草か分らないんだけど。
それにキノコだってどれが食べられるかなんて分かるわけない。
私の知識のほとんどは乙女ゲー関連しかないんだよ。
料理だってほとんどしないし......あ、女子力低いわ、私。考えてて少し悲しくなってきた。
「あーもう、だれかどの草が薬草か教えてよ」
『あなたの左足元に生えている草が薬草です』
「え? 本当?」
私は足もとに生えている草を引き抜いた。
「これが薬草か......って今誰が話しかけたの!? おばけ!?」
あたりを見回すが周りに人はいない。なんだか急に怖くなってきた。
『お化けではありません。私はあなたの固有魔法[答えるもの]です』
「へぇ~固有魔法。それは便利ね。もしかして何でも答てくれるの?」
『はい。何でもお答えします』
「じゃあ、私が平和な王国の王女様になってお見合いし放題な世界に行きたいんだけど」
『夢見てんじゃねーよ』
ねえ、ちょっと、何か急に口悪くなったんだけど。
「えっと、急に口が悪くなった気がするんですけど何で?」
『気のせいです』
気のせいじゃないと思うけどまあいいか。
薬草はさっきのと同じのを探せばいいが、食べられるキノコも聞いてみることにしよう。
早速木の根もとに生えているキノコを見つけた。
「ねえ、このキノコは食べられるの?」
『お前が自分で食べて確認すればいいだろ』
ねえ、やっぱり毒吐いたんだけど。この魔法使えなくない?
そう言えば魔法とか確認するときってステータス画面で見るのよね。
確かラノベとか漫画だと確か「ステータス」って言うと出るのよね。
「ステータス」
ステータス画面が表示される。あ、さっきの魔法も書いてある。
固有魔法[答えるもの]・・・3回だけどんな質問も答えます。以降は毒しか吐きません。
え? 3回も質問したっけ?
①だれかどの草が薬草か教えてよ
②今誰が話しかけたの!? おばけ!?
③もしかして何でも答てくれるの?
3回してた!! というか②、③の質問ほとんど無意味!!
絶望する私がステータス画面である魔法が目にとまった。
鑑定魔法・・・薬草、キノコ、木の実などの種類を鑑定できます。(回数制限なし)
①も聞く必要なかったし!!
とりあえず、この鑑定魔法のおかげでキノコの収集もできました。
「よし! 帰ろうか」
ガサガサ。
何だろう? 向こうのほうで何か音がしたぞ。
振り向いてみると頭に大きなキノコの生えたドラゴンがいた。
「こ、こんにちは。ドラゴンさん......」
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