第2話 逃げたのはいいけれどこの後どうしよう
「はぁ......はぁ......」
全力で走ったので息が切れてしまった。
と思ったけどあんまり疲れていないわね。
やっぱり男のほうが女より体力あるのね。
そういう意味では男に転生できてよかったのかもしれないと思えるわね。
「この後どうするか考えないと」
まず、状況を整理したほうがいいわね。
この世界で生きていくにはまずお金を稼がなければならない。
つまりお金を稼ぐためにどうしてもまたギルドには行かなければならない。
「でもこのまま戻ったらとんでもない依頼を任されそう......ちょっと待って!?」
このとき私は閃いた。
今度はばれないようにギルドカードを受け取リに行けばいいじゃないの!!
そうと決まればまずは変装をするのがいいわよね。
でも、冒険者に話しかけるのはまずいわよね。
となれば冒険者じゃない人に変装できそうな物を借りましょう。
「おじさん、おじさん」
私はこの村に来たとき初めて会った豚の世話をしているおじさんに会いに行った。
「なんだべ。さっきの兄ちゃんじゃねえか」
「しー! おじさん、しー!」
私はおじさんに大きな声を出さないようにお願いしながら話した。
「なんだべ、そんなにこそこそして。冒険者登録しに行ったんじゃねえのか?」
若干声のトーンを抑えておじさんは話してくれた。ありがとう、おじさん!!
「話を要約すると実は私はかなり強い冒険者みたいで魔王を討伐しに行くことになりそうになってしまったの」
「なるほど、理解したべ......冒険者のみなさーん、ここにさっきギルドから逃げだしたかなり強い方がいるだよ!」
このジジィ!! あっさり私を売りやがったわ!!
「何!! 英雄よ!! そんなところにいたのか!?」
「さあ、僕らと一緒に魔王を倒しに行こう」
さっきのやり取りを見ていた冒険者たちが集まってくる。
私は逃げきれないのを悟ってそのまま冒険者ギルドに連れ戻された。
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