第387話 これが......最終決戦だ!
「お姉様! 私が嘘封じの能力であの男の動きを止めてみせますわ! その隙に能力を使ってくださいますか?」
アリスの瞳が赤く変色していく。この能力なら能力を発動している間はヒロトの動きを封じることができるというわけか。
「これはずいぶんと間抜けな人がいますね......私がそれを許すとでも? 能力の使用を禁止します!」
アフロディテの言葉と同時にアリスの瞳の色が銀色に戻ってゆく。例のワールドオーナーみたいな能力を使ったようだ。
......動けないとは言え作戦を堂々とバラしたらそりゃ止めるでしょ!! 初めからアリスには期待していないからいいけど。これでもう僕かヒロトのどちらかしか能力が使えない......え? 女神の2人も使えるだろって? 最終決戦っぽい雰囲気なんだから2人が今更手を出したりしないよ! たぶん......
「安心してください、アイネさん。アフロディテが何かしようとすれば私がすべて庇います! アフロディテの攻撃は女神対して行うことはできないのですべて無効化されます。あなたは能力の発動に集中してください!」
ディオネ様も僕の心を読んで勇気づける言葉をかけてくれる。
「先輩も馬鹿ですね......さっきも言いましたが純粋な能力の発動の速さではヒロトの方が上。つまり私にとってわざわざ妨害する必要もないのですよ」
アフロディテは人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべる。だけどディオネ様も負けじと不敵な笑みを浮かべる。
「さあ、それはどうでしょうね?」
「やれやれ......年寄りは頑固者で困りますね。もう先輩の負けは決まっているんですよ? さっさと負けを認めないなんて見苦しいだけですよ。ああ、それから心配しなくても後でヒロトの能力で馬車馬のようにこき使ってあげますから安心してください。殺したりはしませんから」
アフロディテ、あんたも相当年寄りだろ! と突っ込みたいけど突っ込んでいいのかな? ......というかむしろこの2人の会話を聞かずに僕能力発動させていいかな? でもヒロトのやつも待っているみたいだしもう少し様子を見てあげよう。
「もういいでしょう。ヒロト! もう能力で終わらせてください!」
アフロディテがそう宣言するとヒロトの目つきが変わる。
これが......最終決戦だ!
「覚醒能力『ラノベ主人公』」
「覚醒能力『乙女ゲー主人公』」
ヒロトと僕はほぼ同時に能力を発動した。
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